「離脱率」とは?概要や目安、確認方法、計算方法、改善方法なども解説!

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「離脱率」とは、Webサイト内のあるページを含む全てのセッションのうち、そのページがセッションの最後のページになった割合を表す指標です。今回は「離脱率」に焦点を当て、その概要や目安、確認方法、計算方法、改善方法などをご紹介します。気になるポイントを一挙確認してしまいましょう。
「離脱率」とは?
「離脱率」とは、Webサイト内のあるページを含む全てのセッションのうち、そのページがセッションの最後のページになった割合を表す指標です。
具体的には、あるページを最後にWebサイトを離脱した数(離脱数)を、そのページ全体のセッション数で割った値を表します。
セッションとは、特定の期間内にWebサイトに訪問したユーザーの訪問回数のことです。
「離脱率」の確認方法
「離脱率」の確認には、Google Analytics(グーグルアナリティクス)の活用が一般的です。
Google Analytics(グーグルアナリティクス)とは、Googleが提供する無料解析ツールで、ユーザーがWebサイトに訪問した際、どのような行動をしたかを把握できます。
Google Analytics(グーグルアナリティクス)では、Webサイト全体の「離脱率」だけではなく、1ページごとの「離脱率」も確認可能です。
【公式サイト|Google Analytics(グーグルアナリティクス)】
「離脱率」の扱い方
Google Analytics(グーグルアナリティクス)の場合、サーバーに対するリクエストを1回だけ発生させたセッションを直帰と扱います。
以下では、あるWebサイトで1ページのみのセッションが毎日発生した場合の「離脱率」と直帰率を見ていきましょう。
・火曜日: ページ B > 離脱
・水曜日: ページ A > ページ C > ページ B > 離脱
・木曜日: ページ C > 離脱
・金曜日: ページ B > ページ C > ページ A > 離脱
この場合、「離脱率」と直帰率の関係は以下のようになります。
直帰率 | 離脱率 | |
---|---|---|
ページA | 0% | 33% |
ページB | 33% | 50% |
ページC | 100% | 50% |
なぜこのような結果になるのかについての詳細は、以下のGoogle公式ページをご確認ください。
またセッション数や時間の計算方法については以下の記事をご覧ください。
「離脱率」の計算方法
「離脱率」を算出するための計算式は以下です。
では具体的な数値を用いて計算してみましょう。
ページA | ページB |
---|---|
・離脱数:5,000 ・セッション数:10,000 |
・離脱数:5,000 ・セッション数:20,000 |
離脱率=5,000÷10,000×100=50% | 離脱率=5,000÷20,000×100=25% |
計測ページの離脱数は同じでも、セッション数が多いほど「離脱率」は下がる仕組みです。
つまり、上記の場合、ページBの方が良質なページである可能性が高いという解釈になります。
「離脱率」の目安とは?
「離脱率」の目安は、運営するWebサイトがどのようなジャンル/コンセプト/ターゲットに基づいて制作されているのかによって様々です。
またユーザーの行動パターンが無限にあることから、一般的な「離脱率」の目安は公開されていませんし、「離脱率」の平均を算出することはほぼ不可能と言えます。
そのため、「離脱率」を意識する際は、自社のWebサイトの状況を見ながら、平均値の推移を比較すると良いでしょう。
「離脱率」は高くても問題ない!?
一般的に「離脱率」が高いと、Webサイトやページの質に問題があると思われがちですが、「離脱率」の高さが、直接ユーザーの不満足度に直結するわけではありません。
たとえば、1ページで読み切れるようなニュース記事や企業のホームページなどは、そのページの構造上、「離脱率」が高い傾向にあります。
この場合は特に「離脱率」を改善する必要はありません。
しかし、ページ分割が多すぎて、閲覧の負担が過度に増えている場合があります。
ページが多すぎて必要な情報を発見できず、離脱したくてもできない状態です。
この場合は「離脱率」を改善した方が良いでしょう。
つまり、「離脱率」を考慮する際は、平均や目安を考慮するのではなく、「ユーザーニーズに応えられているのか」という観点を重要視する必要があります。
「離脱率が高いから改善が必要」なのではなく、「なぜその数値になっているのか?」という考え方が重要です。
「離脱率」と「直帰率」の違い
「離脱率」とよく似た言葉に「直帰率」という指標があります。
「直帰率」とは、Webサイト内のあるページを含む全てのセッションのうち、そのページがセッションに存在する唯一のページだった割合を表す指標です。
具体的には、1 ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値のことです。
直帰率 | 離脱率 | |
---|---|---|
概要 | Webサイト内のあるページを含む全てのセッションのうち、そのページがセッションに存在する唯一のページだった割合 | Webサイト内のあるページを含む全てのセッションのうち、そのページがセッションの最後のページになった割合 |
計算方法 | 直帰率[%]=直帰数÷セッション数×100 | 離脱率[%]=離脱数÷セッション数×100 |
では具体的な数値を用いて計算してみましょう。
ページA | ページB |
---|---|
・直帰数:5,000 ・セッション数:10,000 |
・直帰数:5,000 ・セッション数:20,000 |
直帰率=5,000÷10,000×100=50% | 直帰率=5,000÷20,000×100=25% |
計測ページの直帰数は同じでも、セッション数が多いほど「直帰率」は下がる仕組みです。
つまり、上記の場合、ページBの方が良質なページである可能性が高いという解釈になります。
「直帰率」も「離脱率」同様、一般的な目安はありません。
「直帰率」が低いのか高いのかと捉えるかは、運営するWebサイトの過去データと現時点を比較することがよいでしょう。
「離脱率」が高くなる原因及び改善方法とは?
ここでは、「離脱率」が高くなる原因及び改善方法について4点解説します。
ページのデザインが見にくい
ページのデザインが見にくい場合、ユーザーはストレスを感じ、「離脱率」が高りがちです。
ユーザーの離脱を少なくするために、トップページはユーザーの興味を惹きつけるようなデザインやインパクトのある画像を掲載しましょう。
またページの閲覧を妨げない色やフォントを活用し、見やすいページを意識することも有効です。
改善項目は多種多様にあるため、ユーザーストレスを軽減するにはどうすれば良いかを意識しながら離脱率を下げる工夫をしてみてください。
ユーザーニーズが満たされていない
Webサイトに掲載されているコンテンツがユーザーニーズを満たしていない場合も、「離脱率」が高りがちです。
ユーザーニーズに合わせたコンテンツへと改善するには、検索キーワード(クエリ)の改善が重要です。
検索キーワード(クエリ)を改善する際は、Googleが提唱する「4つのマイクロモーメント」との関係性を考え、判別を行いましょう。
マイクロモーメントとは、ユーザーが何かしたいと思った際、スマホやタブレットなどのモバイル端末を使って検索する瞬間のことです。
Googleが提唱する4つのマイクロモーメントは以下の通りです。
・Goクエリ:~に行きたい
・Doクエリ:~をしたい
・Buyクエリ:~を買いたい
4つのマイクロモーメントと検索キーワード(クエリ)を分析し、ユーザーニーズに合わせたコンテンツへの改善を図りましょう。
ページの表示速度が遅い
ページの表示速度が遅い場合も、「離脱率」が高くなりがちです。
ページの表示速度が遅いと、ユーザーは待ちきれず、別サイトへと遷移しがちです。
なぜなら、ユーザーは検索課題をできるだけスピーディーに解決したいと考えているためです。
Googleが設定するWebサイトの健全性を示す重要指標「Core Web Vitals」では、UXが良好と判断されるためには、コンテンツが読み込みを始めてから2.5秒以内に表示されることが理想的と言われています。使用している画像の圧縮やサイズの調整、コンテンツの分量などを調整し、ページの表示速度を改善しましょう。
またWebサイトのページ表示速度を計測する際は、Googleが提供する無料解析ツール「PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)」を活用しましょう。
無料で利用でき、表示速度を阻害する要因を複数の項目から分析・アドバイスしてくれます。
【公式サイト|PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)】
ページがデバイスに最適化されていない
ページがデバイスに最適化されていない場合も、「離脱率」が高りがちです。
ページがデバイスに最適化されていないと、スマホからPC専用のWebサイトにアクセスした場合、文字サイズやフォント、画像の見え方などに誤差が生まれ、想定していたレイアウトにズレが生じる場合があります。
ページを最適化する場合は、運営するWebサイトのレスポンシブデザインを意識しましょう。
「離脱率」を改善して、Webサイトのユーザーを増やそう!
このページでは、「離脱率」に焦点を当て、その概要や目安、確認方法、計算方法、改善方法などについて解説しました。
基本的に「離脱率」の数値自体に意味はありません。
しかし、「離脱率」を分析することで、Webサイトの現状を判断する材料になります。
また「離脱率」の分析から見えてきた課題を解決することで、間接的にSEO効果を高めることにもつながります。
なぜ「離脱率」がその数値になっているのかを分析し、ユーザーニーズに適したWebサイト制作を心がけましょう。
SEOに関するご相談があれば、ぜひipe(アイプ)へご相談ください。
この記事の著者
監修者 土田悠真
早稲田大学卒業後、東京地方検察庁に入庁。その後、株式会社ipeに入社。9か月でコンサルティングチームのリーダーに就任。年商150億円超えの中古品マーケットプレイス、商品数500万品超えのファッションECサイトをはじめとし、様々なジャンルのサイトをコンサルティング、分析を行う。ツイッターはこちら。
@seotsuchida