アクセシビリティとの違い

アクセシビリティも使いやすさを意味します。両者に明確な違いはなく、重なるところも多いのですが、以下のような違いがあります。まず、ユーザビリティは特定のユーザーに対しての使いやすさを指し、アクセシビリティは全てのユーザーに対する概念です。つまり、ユーザビリティの方が層は薄く、アクセシビリティは層が厚くなります。例えば、アクセシビリティでサイトの優位性を考える場合は、高齢者や障害者といった層の使いやすさも考慮して考える必要があります。

ユーザビリティの重要性

ユーザビリティはマーケティング業界において、CV数に直接的な影響をもたらす要素として特に重要視されています。

ユーザビリティを高めるには、ユーザーが操作しやすいUI設計・デザインを心がけ、ユーザーストレスを軽減させる必要があるでしょう。

ユーザビリティが高いメリット

ユーザビリティが向上することで、ユーザーが製品・サービスを利用する際のストレスが大きく軽減されます。表示速度が速くなったり、必要な情報が閲覧しやすいような構成になっている場合にはユーザーの滞在率が改善し、コンバージョン率の増加やサイトの離脱率低下などにつながる可能性があります。結果として商品の購入やよい口コミが増えることが期待できます。

ユーザビリティの評価方法

ここでは、ユーザビリティを向上させるために、どのように評価方法をとるべきかを解説します。
ユーザビリティの評価方法は、誰がどのような目的で行うかで、以下の4つに分かれます。

ヒューリスティック評価

ヒューリスティック評価とは、マーケターが過去の知見に基づき、独自の観点でチェックを行う評価手法です。

独自のチェックリストをマーケティングチームで作成し、そのチェックリストに従ってスコアづけを行います。

認知的ウォークスルー

認知的ウォークスルーは、マーケターが想定ユーザーになりきり、実際にコンテンツを利用することで課題を抽出する評価手法です。

ヒューリスティック評価のようにチェックリストを事前に決定する必要がなく、利用する最中でその都度、課題を見つける手法です。

アンケート調査

アンケート評価とは、一般ユーザーにあらかじめ決められた設問に回答してもらう評価手法です。

ユーザーには、特定の状況を想定してコンテンツを利用する指示を出し、利用後に設問に回答してもらいます。

ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストでは、一般ユーザーが、実際にコンテンツを利用する様子を録画し、その様子を観察することで評価する手法です。

指定の部屋に被験者を呼んで実施するケースが一般的ですが、近年ではリモートテストを行うケースも増えています。

ユーザビリティテストとは

ユーザビリティは主観的な概念なので、ユーザビリティを測るテストが有用です。ユーザビリティテストについて解説します。

ユーザビリティテストのメリット

ユーザビリティテストのメリットとした以下のようなものがあります。まず、ユーザー視点での行動・心理が分かります。ユーザーの興味や関心などのユーザー視点での心理がわかります。次にサイトやシステムの課題が見つかることがあります。制作の時点では気づかないポイントをユーザーの操作を通じて把握することができます。最後に社内（プロジェクト内）で課題感を共有できます。ユーザーのニーズを社内で共有するこで製品の改善に繋げることができます。

ユーザビリティテストの種類

ユーザビリティテストの実施方法

ユーザビリティ10の原則

ユーザビリティの第一人者ヤコブ・ニールセンはユーザビリティの原則として、以下の10原則を提唱しました。ユーザビリティを考慮したコンテンツ制作の際、必ず参考にしましょう。

ユーザビリティを高めるには定量分析と定性分析を使い分ける

ユーザビリティを高めるには定量分析と定性分析を使い分けることが必要です。両者の違いについて解説していきます。

定量分析とは

定量分析とは、主に分析ツールを用いて、数値によって分析する方法のことを言います。メリットとして、数値を用いて分析しているため、客観性が高く、解釈や認識の違いが生じづらいことがあります。デメリットとして、数値にあらわれないユーザーの心理が読み解けないなどが挙げられるので、別の解析手法も用いることが必要です。

定性分析とは

定性分析とは数値ではあらわされない質的なデータによる分析方法のことです。記述式のアンケートなどが含まれます。メリットは数字で現れない部分を分析できることです。デメリットは分析手法が正しく行われないと客観性が低く、偏りのある結果になってしまいがちであることです。有用な方法ですが、事前に方法について吟味することが大切です。

ユーザビリティ分析の例

ここからユーザビリティ分析の具体的な例について解説します。分析例を参照して、理解を深めていきましょう。

アイトラッキング調査

アイトラッキング調査とは、人の視線を追跡できる装置を使って、ユーザーが画面のどこを見ているかを分析する調査方法のことです。ユーザーの視線の動きを追い、分析することで、各要素の配置改善に役立ちます。ポイントとしては、ユーザーの見ている場所だけでなく、見ていない場所にも注目することです。

Analytics解析

Analytics解析とはデータを収集・分析し、パターンを見つけ出す解析方法です。この解析によってユーザーがどのような人か、その属性がわかります。ユーザーの属性に合わせて商品のコンセプトを再定義し、デザインや機能を改善していくことでユーザビリティが改善すると考えられます。

ヒートマップ分析

ヒートマップとは、Webサイトの位置別の滞在時間を可視化したものです。サーモグラフィのように、滞在時間の多寡を色の濃淡で表しているのが特徴です。例えばマウスの行き来が激しい部分やクリックやタップの多い部分を表示したりもできます。

ユーザビリティを高める方法

ユーザビリティの重要性について解説してきました。ここから実際にユーザビリティを高める方法について解説していきます。

高めたい対象ユーザーを絞る

まず対象ユーザーを絞るために、誰にとっての利便性を高めるのかを最初に定義することが大切です。ここを絞らないと、なかなか具体的なテスト、分析に繋がりづらいです。サイトのメインターゲットなのか、あるいは新規顧客の開拓なのか、課題感に基づいてある程度ターゲットを絞るべきです。

ユーザビリティテストを実施する

ユーザビリティテストを実施するには、行う目的に応じて、様々な評価方法や分析方法から必要なテストを選ぶようにしましょう。特に評価方法については、定性的な評価と定量的な評価があるため、どちらが必要なのかを目的に応じて考えてから実施することが重要です。

結果に基づいて修正する

選択したテスト結果を分析していきます。その結果に応じて、まずは改善点を洗い出すようにしましょう。改善点はたくさんあるのが普通であり、少しずつ改善させていきます。一度で完了させようとせず、改善を行ったら、再度分析を行い改善点がないかを確認します。定期的に内容を見直し、修正していくことが大切です。

ユーザビリティを高める具体的な施策例

ここでは、ユーザビリティを高める具体的な施策例について3点解説します。

コンテンツの質を高める

基本的にWebサイトはコンテンツがあってこそ成立します。
良質なコンテンツがあるからこそ、ユーザーはWebサイトにアクセスします。
そしてアクセスユーザーが存在するからこそ、ユーザビリティの需要が発生します。

Webサイトを制作する際は、コンテンツの内容やボリューム、キーワードの選定などユーザーニーズを明確に把握し、有意義な情報を提供するようにしましょう。

ページスピードを速める

Googleでは、できるだけページスピードを速めることが推奨されています。
またユーザー視点から見ても、ページスピードは重要ポイントです。

ページスピードが遅いと、直帰率や離脱率の向上に繋がってしまうからです。

【参照｜Does Page Load Time Really Affect Bounce Rate?】

Pingdom社の調査では、2秒以内に表示されるページの直帰率は約9%、5秒かかるページでは38%まで高まるという結果を示しています。ページスピードは、それだけ直帰率の高さに比例するのです。

効果的にCVにつなげるためにも、ページスピードは速めるよう意識しましょう。

なお以下の記事ではページスピードについての概要や重要性、確認方法、具体的な施策について解説されています。ぜひ参考にしてみてください。

ページスピードとは？改善方法やSEOの影響、チェック方法

ページスピードとは、インターネットにて、ユーザーがWebページにアクセスしてから、そのページのコンテンツがブラウザに表示されるまでの時間のことです。 今回はページスピードに焦点を当て、その概要や重要性、確認方法、具体的な施策などをご紹介します。気になるポイントを一挙確認してしまいましょう。

ボタンのデザインを工夫する

ボタンのデザインを工夫し、ユーザーがクリックしやすい状況を促すことでユーザビリティは上がります。また、それだけではなく興味を引くことによってCV率の向上などにもつながります。ただし、過剰なデザインは逆に使用感を下げてしまうため注意が必要です。

ページ内リンクを設ける

ページ内リンクとは「アンカーリンク」とも呼ばれます。クリックすると同じページ内の特定の場所に移動するリンク機能があります。そのため、特定の箇所に移動する手間を省くことができます。特にモバイルだとスクロールして探す手間が大きいため、効果的といえます。

複数チャネルに一貫性を出す

PCとスマホで同一の構造やデザインにするなどの方法で一貫性を出すことができます。今では多くのユーザーが色々なチャネルを使うことが一般的になってきています。それらにおいて、構造がそれぞれで異なっていると、混乱してユーザーにとって使いにくくなってしまいます。同一のデザインにすることでユーザビリティの向上が期待できます。

モバイルユーザビリティを意識する

近年、モバイル端末を利用するユーザーが急増しました。

またGoogleアルゴリズムのアップデートにより、モバイルユーザビリティが評価指標として重視されるようにもなりました。

そのため、モバイル端末の閲覧時、最適化されたUI設計になっているか、見え方を必ず確認しましょう。

ユーザビリティが高いサイトデザインの例

それではユーザビリティが高いサイトデザインの例を示します。自社サイトの改善に参考にしてみてください。

大日本印刷

大日本印刷は、日本を代表する印刷会社であり、印刷物からデジタルメディアまで幅広い分野で事業展開しています。公式ウェブサイトは、視覚的なコンテンツが多く、階層的な構造で情報が整理されているためユーザビリティが高いと言えます。

清水建設

清水建設は1804年に創業された、日本の大手総合建設会社です。WEBサイトはユーザーの利便性を考えたデザインとなっており、情報が閲覧しやすくなっています。またモバイルユーザーにとっても見やすいデザインが採用されています。

J:COM

J:COMは、札幌から福岡まで全国5大都市圏でケーブルテレビ、高速インターネット接続、固定電話サービス、モバイル、電力を提供する放送・通信会社です。サイトは全体を通して明快であり、コンテンツが適切であるという点が特徴的です。ユーザーが直感的に必要な情報にアクセスでき、目的を達成できるWebサイトとなるように最適化されています。

大同生命

大同生命は日本の生命保険会社で太陽生命とともに組成した「T&D保険グループ」の中核会社です。顧客に対して保険商品や金融サービスを提供しています。ウェブサイトのユーザビリティは、ユーザーの利便性と使いやすさを重視した設計となっています。シンプルなデザインやナビゲーションが分かりやすく、商品やサービスの情報が充実している点が特徴です。

Montbell USJ:COM

Montbellは、株式会社モンベル、株式会社ベルカディア、株式会社北陸モンベル、株式会社ネイチュアエンタープライズ、モンベルアメリカ・インク、モンベルスイスSAから成る、アウトドア用品の製造、卸、販売、イベント運営企画などを手がける総合グループです。株式会社ipeではMontbellの通販サイトにおいて、USのGoogleに対する検索エンジンの最適化、ユーザのアクセス解析、リピート率を高めるための施策を実施しました。ユーザビリティについてお困りの方は下記リンクからご相談ください。

ユーザビリティについてお困りの方はこちら

ユーザビリティに関するよくある質問

ユーザビリティとはどういう意味ですか？

ユーザビリティ（Usability）という言葉には「使いやすさ」「使い勝手」「有用性」などの意味があります。またWebサービスやソフトウェアでは「使い方がわかりやすく、誰にでも簡単に使うことができる」という意味合いで使われます。ユーザビリティの向上はコンバージョン率にも影響し、重要になってきています。

ユーザビリティとアクセシビリティの違いは何ですか？

アクセシビリティは「そもそもユーザーが使えるかどうか」という、そもそもの話です。ユーザビリティは「アクセシビリティ前提の上で、さらにどれだけ使いやすいか、分かりやすいか」を考える点にあります。またユーザビリティは特定のユーザーに対してを指し、アクセシビリティは全てのユーザーを指していることもあります。

ユーザビリティを改善するには？

ユーザビリティを改善するには、まず改善対象とするターゲットを決めます。次に、アンケートやツールを使っての分析を行います。最後に分析結果に応じて、適宜改善を実施していくという流れになります。

ユーザビリティを意識したコンテンツ制作を検討しよう！

このページでは、ユーザビリティに焦点を当て、その概要や重要性、評価方法、ユーザビリティを高めるための具体的な施策などについて解説しました。

ユーザビリティは、Webサイトを運営する上で、必ず意識するべき指標です。

ユーザビリティを高めることができれば、集客や売上が向上し、Webマーケティングを成功に導くことができます。

ぜひ本記事を参考にユーザビリティについての基本や改善方法を理解し、自サイトの改善にお役立てください。

「ユーザビリティ」やSEOでお悩みの場合は株式会社ipeにご相談ください。株式会社ipeではSEOでの大手クライアント実績多数！SEOを検討する際にはぜひ一度ご相談ください。