UGCとは?意味やマーケティングで注目される理由、事例や投稿方法

UGCとは、「User Generated Contents」の略で、ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツの総称です。今回はUGCに焦点を当て、その概要や重要性、メリット、活用ポイント、注意点、事例などをご紹介します。気になるポイントを一挙確認してしまいましょう。
UGCとは?
UGCとは、「User Generated Contents」の略で、ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツの総称です。
SNSやブログ、動画投稿サイトなどの各種ソーシャルメディアに書き込まれたり投稿されたコンテンツやそれらに対する感想、レビューなどのコメントもUGCに含まれます。
UGCがマーケティングで注目される理由・背景
ここでは、UGCがマーケティングで注目される理由・背景について解説します。
UGCはユーザーが求めるコンテンツ
企業側で作られたコンテンツにユーザーは興味を示さなくなっています。
1,000人の消費者を対象に行ったYOTPO調査によると、77%の人がプロによって撮影された写真より、ユーザーによって撮影された写真を見たいと回答しました。
このように、ユーザーは、購入した服を実際に着用しSNSに投稿した写真や、レストランで食事した際の料理写真やレビューなど、顧客によって発信されたコンテンツを信頼する傾向にあります。
また、2016年時点における165,000以上のYOTPO導入企業を調査した結果、Instagramについて次のこともわかりました。
- 83%のユーザーは、友人がInstagramで特定ブランドについて投稿しているのを見て、そのブランドをチェックする可能性が高くなると回答。
- 30%のユーザーが、Instagramで初めて見つけたものを購入した経験があると回答。
- Instagram経由のECサイト訪問者は、平均滞在時間が約192秒。Facebook、Pinterest、Twitterなどの他のSNSチャネルからの訪問者よりも長い。
購買前の意思決定に与える影響力
UGCそのものの価値向上も理由の一つです。
例えば、化粧品や洋服を買う時にInstagramで検索をして商品選びの参考にするなど、購買前の意思決定にUGCが作用するシーンが増えています。
実際、「63%の生活者が、購入前に商品のUGCをSNSで探している」といった調査結果も出ており、商品購入やサービス利用のきっかけをつくる存在として注目が集まっていると言えます。
出典:Olapic『Facebook & Instagram Advertising With UGC : A Practitioner’s Guide』よりアライドアーキテクツにて作図
実際、現代の生活者は気になる商品を見つけたり、情報収集するためにInstagramを利用しています。
Facebook社の公式発表によると、2019年3月時点で月間アクティブアカウント数が3300万で、そのうち83%のユーザーが「インスタグラムで商品やサービスを見つける」など、新しい発見のためにInstagramを訪れていることがわかりました。特に若年女性層は、ファッション、グルメスポット、レジャースポットの情報を検索する際に、Instagramを最もよく利用しています(※2)。
出典:INSTAGRAM DAY TOKYO 2019 公式スライドより
日本のユーザーがハッシュタグ検索する回数は、グローバル平均の5倍もあり(※3)今や多くの人にとって、Instagramは「検索プラットフォーム」としての役割を果たしています。毎日投稿される膨大なUGCの中に、商品やサービスの検討に必要な情報を満たす優れたコンテンツが数多く存在していることを意味しているのではないでしょうか。
デジタルネイティブとも言われる30代以下がショッピングの際にどのような情報を信頼するかをという調査では、1位の「知人からの勧め」に次いで、「オンラインに投稿された消費者の意見」が2位になっています(※4)。
出典:「ニールセン デジタル・コンシューマー・データベース2019 (Nielsen Digital Consumer Database 2019)」の情報を元に、アライドアーキテクツにて作図。
中でも「オンラインに投稿された消費者の意見」は2017年から12ポイント増加し、最も高い増加率となっています。UGCは購買行動に影響を与える強力なコンテンツであることがうかがえます。
マーケティングに必要なコンテンツ量の増加
デジタルマーケティング市場が加速度的に変化しているため、企業は様々なマーケティングチャネルを試しながら、施策のPDCAのスピードをあげていくことが求められます。
網羅的にマーケティングチャネルを試すとなると、チャネルに適したクリエイティブを準備することはもちろん、表現の幅や訴求の数を増やさなければなりません。その結果、企業がクリエイティブ制作に投資する時間とコストが必然的に大きくなっていきます。UGCの活用は、リソースに限りがある中で、クリエイティブ量と質を担保する効果的な打ち手の一つです。
UGCをクリエイティブに活用すれば、作業工数を減らしてクリエイティブの量を担保することができるだけではなく、生活者目線の表現を増やすことができます。
デジタル広告市場の変化
クッキー規制の強化、EC参入企業の増加によるCPMの高騰、各種プラットフォームによる広告規制の強化など、デジタル広告市場を取り巻く環境は大きく変化しており、従来型の広告運用だけに頼らず、いかに新規顧客を獲得し、リピート購入を促進するかの新たな打ち手が求められてます。
UGC活用は、広告から流入したユーザーの購入率向上、既存顧客のリピート率向上など、デジタルマーケティングの各種KPIを改善する手段としても注目されているのです。
UGCのメリット
このように、UGCをマーケティングに取り入れることで企業は様々なメリットを得ることができます。改めてまとめると、以下の3つが主なメリットに挙げられます。
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①生活者目線のクリエイティブを手に入れることができる
UGCは実際に商品を使ったりサービスを体験したりした生活者のリアルな口コミそのものです。広告がもつ「企業からの一方的な押し付け感」に嫌悪感を抱く生活者が増える一方で、「生活者目線」のUGCは、信頼できるコンテンツとしての価値があります。
②制作の時間とコストを抑えつつ、クリエイティブ量を確保できる
マーケティング施策の多様化や煩雑化によって、コンテンツの量と種類の担保はマーケターにとって重要な課題になっています。UGCをクリエイティブに取りいれることで、制作にかかる時間やコストを抑えつつ、大量のクリエイティブを得ることも可能になります。
③商品開発や施策改善のヒントになる
UGCは生活者のリアルな声であり、生活者が何に価値を感じているのか、実生活において商品をどう使っているのかなどの、生活者心理や行動を知る大きなヒントとなります。UGCは、企業にとって商品開発やマーケティング施策の改善に活用できる貴重な資産なのです。
UGCの投稿の3ステップ
ただやみくもにUGCを活用するだけでは、思ったような成果に繋がりません。
UGCのメリットを最大化するには、ステップごとの成功ポイントを押さえて運用することが大切です。
①生成
新商品など市場の認知形成がされていない商品は、企業から働きかけてUGCを生成する必要があります。
企業の働きかけでUGCを生成するには、以下のような方法が効果的です。
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既に認知形成がされており自然発生のUGCがある場合は、活用時の効果をあげるため、より商品の魅力が伝わるUGCを増やしていくことが大切です。
②収集
活用するためのUGCを収集します。
著作権侵害を防ぐため、原則として、ユーザーから利用許諾を取得しましょう。
ただし、事前に二次活用の許諾を得ているモニターやインフルエンサー施策、既存のお客様に二次活用の許諾を得てUGCを投稿してもらう場合は必要ありません。
ユーザーへの許諾の取り方は、主に以下の2種類です。
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ダイレクトメッセージ機能やコメント機能を利用する際は、1件1件手作業で送信する必要があるため時間がかかります。定常的にUGCを活用する際は、一括で許諾を送信できるツールを使うと良いでしょう。
【UGCの収集手段】
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③活用・効果検証
企業のマーケティングにおいて、UGCは様々な顧客接点で活用できます。
【UGCの活用方法】
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UGCが効果的に活用できると、リード(見込み客)からのCVが増え、CVRや回遊率向上などの効果が期待できます。
成果を出すには、UGCの運用サイクルを回すことがカギです。
しかし、UGCをただ貼り付けて終わりではありません。
どのようにUGCを活用するのが最も効果的なのかをきちんと運用して検証・改善していくことが大切です。
UGCの掲載位置やUGCを紹介するバナーのデザインパターン、UGCの内容など、UGCの成果が出るパターンを検証し、改善していくことでUGC活用の効果が最大化します。
UGC活用時の注意点
ここでは、UGC活用時の注意点について解説します。
①UGCと著作権
企業がUGCをマーケティングに活用する際は、そのUGCを投稿したユーザーに許可を得ることが原則です。
無断で商用に使用する行為は著作権違反につながってしまいます。
ただし、モニター施策などで事前に二次活用の許諾を得ている場合は必ずしも都度許諾を得る必要はありません。
②UGCと薬機法
もともとのUGCがユーザーによるオーガニックな投稿であったとしても、企業がそれをLPや広告クリエイティブなどの素材に活用する時点で、そのUGCは企業の表現物の一つとみなされ、薬機法の対象となります。
UGCを選択する時点で十分に注意することが必要です。
③UGCとステルスマーケティング
企業がインフルエンサーやモニターにUGC投稿を依頼した際に、その投稿上で企業との関係性の明示を行わない行為はステルスマーケティングに当たります。
インフルエンサーやモニターにUGC投稿を依頼する際には、必ず投稿上で明確に関係性の明示を行わなければなりません。
インフルエンサーやモニターを起用する際には、その方自身の言葉で語ってもらうことが大切です。
UGC活用したECサイトの国内事例
ここでは、UGCを活用したECサイトの国内事例について3点解説します。
①DINETTE株式会社
Instagramの投稿キャプチャを画像としてLPに貼り付けていたが、CVR向上に貢献しているのか、さらにどんな画像が数値的に貢献しているのか分からず、うまく改善施策がとれなかったため、UGC活用ツール「Letro」を使用し本格的なUGC施策を開始しました。
施策 | ブランドの世界観を壊さずにUGCを広告LPに活用 |
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成果 | ・CVRやCTRが高いUGCがわかるようになり、LPのCVRが1.8倍に向上 ・売上も3.7倍を実現 |
②株式会社鈴木ハーブ研究所
株式会社鈴木ハーブ研究所では、元々、企業からの発信では伝えづらい商品の使いやすさや魅力をUGCを活用して発信していました。
広告のクリエイティブやその受け皿となるLPでUGCを活用しており、新規獲得の効率改善につながっていたため、定量的にもUGCの効果を実感していた。その実績から、複数商品を併せて使ってくれているお客様の声はクロスセルの促進にも繋がるのではないかと考え、活用幅を広げました。
施策 | 商品購入後のお客様に表示される「ついで買い訴求ページ」にUGCを掲載。お客様により効果を実感いただく目的でセット売りを強化していたため、「あわせ使いによる効果」を想像していただけるように、主に両方の商品を併用してくださっている方のUGCを中心に選定。 |
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成果 | 2週間の運用をした結果、1日当たりの「両商品を同時に購入いただいた件数」が最大で2倍に向上。※UGCなしの場合と比較 |
UGCを活用したマーケティングで自社の売上を伸ばそう!
このページでは、UGCに焦点を当て、その概要や重要性、メリット、活用ポイント、注意点、事例
などについて解説しました。
コロナ禍により人との対面のコミュニケーションが減少、さらなるデジタル化が進む現代において、UGCは信頼できる情報源としてますます価値が高まると期待されています。
企業は、UGCを大切な資産と捉え、それをさらに増やし、既存のマーケティングに上手に取り入れていくべきでしょう。
まだUGCを導入したご経験がない方は、ぜひこの機会にUGCを活用したマーケティングで自社の売上を伸ばしましょう。
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