サイトマップとは?XML、HTMLなどの種類やSEOへの効果、作り方を解説
サイトマップは、サイト全体を構成するページの一覧を記載した樹形図のような資料です。ユーザーや検索エンジンにサイトの内容を伝える役割があり、ユーザビリティとクローラビリティの向上を目的としています。サイトマップの設置を考えている方は、サイトマップを最大限に活用できるようSEOへの効果や作り方を確認しておきましょう。
サイトマップとは
サイトマップとは、サイトを構成している全てのページを樹形図のように一覧で記載したページのことで、構成図とも呼ばれます。サイトの構成をユーザーにわかりやすくするだけでなく、検索エンジンに内容を伝える役割もあります。
どんなサイトで必要になるのか
「どんな内容のサイトか」がわからないサイトはサイトマップを作ったほうがよいとされています。検索エンジンにサイトの内容が認識されなければ、検索結果に表示されません。下記の5つに当てはまるサイトは、内容が検索エンジンに伝わっていない可能性があります。
・規模の大きいサイト
・外部リンクが少ない
・内部リンクが少ない/適切にリンクされていない
・サイトに動画や画像などのリッチメディアコンテンツが多数含まれている
・サイトが Google ニュースに表示されている
ディレクトリマップとの違い
サイトマップとディレクトリマップは、サイトの全体像を把握する資料という点では同じです。ただし、ディレクトリマップは全ページをリスト化したものであり、制作時の進捗管理などで使用されます。Web上には掲載されないため、ユーザーに見られることはありません。
サイトマップぺージとサイトマップファイル
ホームページ制作において、最初に作るのが「サイトマップ」です。ホームページの構成図であり、またページの内容や数、さらにページ同士の関係性を考える上で作成します。
次にサイトマップページは、ページの構成をユーザーに伝えるためのページです。別名ナビゲーションページやHTMLサイトマップと呼びます。サイトマップページは、主にユーザー向けですが、Googleも参考にすることがあります。
最後にサイトマップファイルとは、Googleなどの検索エンジンにページの構成を伝えるためのファイルです。主にXML形式が用いられ、ファイルにはコードを記述します。
サイトマップの2つの種類とその違い
サイトマップには、HTMLサイトマップとXMLサイトマップの2つの種類があります。HTMLサイトマップはユーザーが利用し、各ページのリンクをまとめて目的のページを見つけやすくするものです。サイトマップのページやヘッダー・フッターのリンクなどがHTMLサイトマップの例として挙げられます。一方、XMLサイトマップは検索エンジンに対して作成するもので、サイトの内容を伝えるのが役目です。内部リンクのないページや新規のページでも検索エンジンに気づかせることができます。
HTMLサイトマップ | XMLサイトマップ | |
---|---|---|
目的 | ユーザーが利用 | 検索エンジンにサイト内容を伝える |
サイト内リンク | あり | なし |
クローラビリティ(※) | 向上 | 向上 |
※クローラビリティ:クローラーがWebサイト内を巡回しやすいかどうか
サイトマップを作るメリット
サイトマップを作成するメリットは、「Webサイト全体の構造を把握できること」と「プロジェクトチームと全体像のイメージが共有しやすいこと」の2つです。社内のプロジェクトチームだけでなく社外に制作を依頼する場合にも、これらのメリットが生かされます。
規模の小さいサイトであれば全体像を把握するのは簡単ですが、ページの数が多くなればなるほど整理も難しくなります。サイトマップを作ればサイト全体の構成が把握しやすくなり、その後の制作過程でも進捗管理に役立ちます。
また、社外の制作会社に依頼する際にも、サイトマップはどんなページをどれくらい制作するかを表す資料になるため、見積もりを取りやすくなったり意思疎通が図りやすくなったります。サイト制作を円滑に進めるためにも、サイトマップは非常に便利な存在です。
サイトマップはSEO対策として効果があるのか
サイトマップがSEO対策として効果的であるかどうかは、種類によって異なります。HTMLサイトマップは、特にSEOに対する効果がありません。対して、XMLサイトマップはクローラーにサイトを巡回してもらいやすくするため、XMLサイトマップを設置していれば新規記事やリライトなどで更新されたことがいち早く検索エンジンに伝わり、SEO対策としての効果が見込めます。他サイトに似た文章や類似コンテンツがあっても、XMLサイトマップで正規のURLを設置していればペナルティなく適切な評価が受けられることもあります。ただし、SEO対策として必ずすべきものではありません。小規模のサイトはサイトマップがなくてもクローラーが巡回できるため、規模に合わせた適切な運用がおすすめです。
SEO目的であればHTMLサイトマップはあまり利用されない
XMLサイトマップによりクローラーへサイト構造を的確に伝えられるようになったこともあり、HTMLサイトマップを用意しなくてもそこまで影響はありません。近年では、SEO的な意味で作成するのではなく、ユーザビリティの観点から作成されることが多い傾向にあります。HTMLサイトマップがあれば、サイト内にどんなページがあるかを俯瞰できたり、アクセスしたりできるためです。
HTMLマップの作成を検討する際には、クローラビリティの観点ではなく、ユーザビリティの観点か考えてみましょう。
画像や動画に関する情報を適切に伝えることも可能
Google検索セントラル「サイトマップの概要」
上記のように、サイトマップには画像と動画の情報も盛り込むことができます。クローラーは画像と動画の情報を読み取ることが苦手なこともあり、サイトマップを通じて情報を伝えられるのは大きなメリットです。また画像検索や動画検索での上位表示を狙えるのも大きなメリットと言えるでしょう。
wordpressのプラグインなど、自動でサイトマップを作成してくれるツールでは画像と動画のサイトマップは作成されないことも多いので注意が必要です。画像と動画の情報に対応していない場合は別途作成する必要があります。
HTMLサイトマップの作り方
HTMLサイトマップの作成方法は、手動で作成する方法とWordPressのプラグインで作成する方法が挙げられます。2つの作り方について、手順に沿ってご紹介します。
手動で作成する方法
手動で作成するときは、サイト内のページを全て羅列して作成します。ページの抜けや漏れがないように注意しましょう。目的別でカテゴリ分けをする、色分けをする、階層構造がわかるようにするなどの工夫でユーザーに見やすくすると、見やすく使いやすいサイトになります。
WordPressのプラグインで作成する方法
HTMLサイトマップは、WordPressのプラグイン「PS Auto Sitemap」でも作成できます。「PS Auto Sitemap」は自動で更新してくれて、更新し忘れがなく便利です。しかし、ページタイトルをリスト化して羅列した単純な作りのページになるため、記事数が多いと重くなるうえに目的の記事を探しにくいことがあります。
①サイトにPS Auto Sitemapをインストールして有効化
②設定から「PS Auto Sitemap」をクリックし、サイトマップのデザインやサイトマップに載せないページなどを設定
③設定画面最下部のショートコードをコピー
④「固定ページ」から「新規追加」をクリックし、タイトルを“サイトマップ”にエディタをテキストにしてショートコードを貼り付け、公開
⑤「固定ページ」から「固定ページ一覧」を選択し、作成したページの「編集」をクリック
⑥ブラウザのURL欄から“post○○”の数字部分のみをコピー
⑦「設定」から「PS Auto Sitemap」を選択し、「サイトマップを表示する記事」の入力欄に⑦でコピーした数字をペースト
⑧「変更を保存」で完了
XMLサイトマップの作り方
XMLサイトマップはプラグインやツールを使って簡単に作成できます。2パターンの作り方を具体的にご紹介します。
WordPressのプラグインで作成する方法
WordPressで作成する場合、プラグイン「Google XML Sitemaps」で作成できます。このプラグインを利用すると、XMLサイトマップの更新だけでなくGoogleサーチコンソールへの自動登録も可能です。ただし、Googleサーチコンソールに登録する設定は必要です。ここでは、「Google XML Sitemaps」でサイトマップを作るまでの手順を紹介します。
①プラグイン「Google XML Sitemaps」をインストールして有効化
②設定から「XML Sitemap」をクリックし、基本設定や投稿の優先順位、サイトマップに載せないページなどを設定
③「設定を更新」をクリック
sitemap.xml Editorで作成する方法
無料ツールの「sitemap.xml Editor」は、XMLサイトマップを自動で作成してくれるツールです。手順は該当のURLを入力して詳細の設定をし、作成ボタンを押すだけで簡単に作成できます。ユーザー登録やソフトのダウンロードなどは不要ですが、最大取得数の制限が1,000URLまでです。1,000URL以上は「除外ディレクトリ」を活用しましょう。
①「sitemap.xml Editor」にアクセス
②「PCサイトマップ(sitemap.xml)を作成」の枠内にXMLサイトマップを作成するサイトのURLを入力
③最終更新日、サイトの更新頻度、優先度などの設定をする
④「サイトマップ作成」をクリック
⑤サイトマップが作成されたら「sitemap.xml」をクリックし、ファイルをダウンロード
⑥sitemap.xmlファイルをrootディレクトリにアップロード
サイトマップの存在をGoogleに伝えるには
SEO的な効果を期待する場合、サイトマップは、作成するだけでは意味がありません。Googleにサイトマップの存在を知らせる必要があります。Googleでは下記のサイトマップ形式に対応しています
XML/RSS/mPSS/Atom1.0/テキスト
参考:Google検索セントラル「サイトマップの作成と送信」
ここでは一般的な方法であるXML形式のサイトマップを送信する方法を解説します。
使用するツールは「Googleサーチコンソール」です。
①「Googleサーチコンソール」にアクセス
②メニューで「サイトマップ」選択し、「サイトマップを追加」をクリック
③XMLサイトマップのURLを貼り付け、「送信」をクリック
④サイトマップが認識されれば完了画面に
Googleに認識されているかどうかは、Googleサーチコンソール内のサイトマップレポートで確認できます。Googleサーチコンソールのメニュー「サイトマップ」で「送信されたサイトマップ」に表示されていれば認識されていて、ステータスが「成功しました」になっています。ステータスが「取得できませんでした」や「1件のエラー」となっているとサイトマップファイルが取得できていないため注意しましょう。
サイトマップはユーザビリティにもSEO対策にも有効
サイトマップは、サイトを構成する全ページを掲載した構成図のことです。サイト内にどんなページが含まれているのかがわかるため、ユーザーが目的に合ったページに辿り着きやすいだけでなく、制作チームにとっても全体像が分かりやすいというメリットがあります。また、サイトの内容を検索エンジンに伝える役割もあり、SEO対策の効果も期待できます。サイトの規模に合わせたサイトマップを作成し、さらに価値あるサイトに育てていきましょう。
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