逆SEOとは?目的や風評被害の対策方法を解説!

逆SEOとはご存知でしょうか。この記事では、逆SEOと風評被害の対策方法を解説します。被害に遭わないに越したことはないですが、万が一の際に備え、知っておくことは重要です。留意するべき点や被害にあった際の対策方法など、幅広く説明しています。ぜひ参考にしてください。
逆SEOとは
逆SEOとは、SEO(検索エンジン最適化)と真逆で、Googleなど検索エンジンの順位を下げる施策です。ネガティブSEOやリバースSEOとも言います。
SEOは、自社のWebサイトを検索順位の上位に表示させるための施策ですが、逆SEOは、反対に、自社以外のWebサイトの検索順位を下げるために行われます。
逆SEOと、一般的に行われるSEOは、検索エンジンの仕組みを利用します。検索エンジンで上位に表示されたWebサイトは、多くの人びとの目に触れる機会が増え、上位表示されないWebサイトは、人びとに見てもらう機会が減るという仕組みです。
下記の表は、アメリカのseoClarity社がCTR(表示回数に対してクリックされた回数の割合)を大規模に調査した結果です。
この表は、1~10位の順位ごとに、クリック率が減っていることを示しています。
【引用:seoClarity「CTR Research Study」】
上位に表示されるほど閲覧者が増えるSEOのランキングシステムは、逆SEO対策によって、特定のWebページの検索順位を下げることができれば、そのページの閲覧数を減らすことができるとも言えます。
では、逆SEO対策を行う目的は、何でしょうか。次の章で説明します。
逆SEOをする目的
逆SEOの目的は、インターネットの風評被害に遭った企業が、自社を誹謗中傷しているWebサイトに対して、被害の広がりを予防するために行われます。その他には、ライバル企業などから、逆SEOの被害に遭ってしまった際にも行う場合があります。
インターネットによる風評被害を受けた企業が逆SEOを行わざるを得ない理由は、顧客や取引先との関係が不安定になり、売上が下がるなど、何らかの経済的損失を免れないからです。その他にも、風評被害は、従業員のモチベーション低下や離職率、延いては採用活動にまで悪影響が及ぶ恐れがあります。
逆SEOの対策手順
逆SEOを効果的に実践するには、適切な手順が重要です。ここでは、事前の現状分析、戦略の立案と目標設定、施策の実行、法的リスクへの対処について解説します。
事前の現状分析
逆SEOに取り組む前に、自社ブランドに関する検索結果の現状を詳細に分析しましょう。ネガティブな情報の種類や量、発信源などを把握することが重要です。この分析結果を基に、適切な逆SEO戦略を立てられます。
戦略の立案と目標設定
現状分析の結果を踏まえ、優先的に対処すべき課題を特定します。その上で、達成すべき目標を設定し、具体的な施策を立案しましょう。短期的および長期的な目標を明確にすることが、効果的な逆SEOの実践につながります。
施策の実行
立案した施策を着実に実行に移すことが重要です。ネガティブキーワードの設定、低品質コンテンツの削除、有害バックリンクの除去など、各施策を適切に組み合わせ、継続的に実施しましょう。施策の効果を定期的に測定し、必要に応じて方針の修正も大切です。
法的リスクへの対処
逆SEOを実践する上では、法的リスクにも注意が必要です。事実ではない情報を発信したり、他者の権利を侵害したりしないよう、十分な配慮が求められます。必要に応じて、弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
逆SEOの施策例
逆SEOを実践するには、さまざまな手法を適切に組み合わせる必要があります。ここでは、ネガティブキーワードの設定、低品質なコンテンツの削除、有害なバックリンクの除去、ペナルティ対策について解説します。
ネガティブキーワードの設定
ネガティブキーワードとは、自社のブランドに関連する否定的な検索クエリのことです。これらのキーワードを広告表示の対象から除外し、ブランドイメージの悪化を防ぎます。定期的にネガティブキーワードをチェックし、適宜更新することが重要です。
低品質なコンテンツの削除
自社サイト内の低品質なコンテンツや、ブランドイメージを損なう可能性のあるコンテンツは、積極的に削除または非公開にしましょう。これにより、検索エンジンからのペナルティを回避し、サイトの信頼性を高められます。
有害なバックリンクの除去
サイトに対する有害なバックリンクは、検索順位の低下や、最悪の場合ペナルティにつながる可能性があります。定期的にバックリンクを監視し、スパムサイトからのリンクなどを発見した場合は、速やかに除去RequestをGoogleに送信しましょう。
ペナルティ対策
サイトがGoogleからペナルティを受けた場合は、早急な対応が求められます。原因を特定し、問題となるコンテンツやリンクを取り除いた上で、再審査を促します。再発防止策も重要です。
逆SEOと平行して行うべき風評被害の対策方法
風評被害を受けた際の対策方法について、順を追って解説していきます。
逆SEOよりも時間がかからないため、逆SEO対策の前、もしくは逆SEOと並行して、行ってみることをおすすめします。
【1】風評被害を受けた際、事実か否かを関係各所に事実確認を行います。(風評被害とは根拠がない嘘や噂、憶測によるあいまいなデマ情報などによって生じる経済的被害のことを指します。)
【2】事実確認を行った結果、事実無根の風評被害である場合、自社を誹謗中傷している発信者やネガティブサイト、もしくは該当のWebページを提供しているサイトの管理者や所有者に対して、情報の発信停止やコンテンツの削除を依頼してください。
【3】風評被害元の発信者やWebサイトが停止や削除の申請に応じなかった場合、※「Googleから個人情報を削除する」のページを確認してください。こちらのページ内にある「Googleが削除する個人情報」の項目に該当すれば、削除してくれる可能性が高いです。
なお、Googleの検索ボックスで自社名や商品名を検索した際、ネガティブなワードが表示されてお困りの場合は、※1「法律に基づく削除に関する問題を報告する」にて削除申請をしてください。(※2 Googleがオートコンプリートポリシーに違反していると認めた場合は、削除してもらえる可能性があります。)
なお、Yahoo!の場合は、※3「プライバシーに関するお問い合わせ」にて相談をしてみてください。
【4】ネガティブサイトやGoogleが、風評被害元のWebページを削除してくれなかった際には、逆SEOを行います。次の章で方法を説明します。
【参考:Google「Google から個人情報を削除する」】
【参考:Google「法律に基づく削除に関する問題を報告する」】
【参考:Google「Google のオートコンプリート候補の仕組み」】
【参考:Yahoo!「プライバシーに関するお問い合わせ」】
逆SEOと平行して行うべきポジティブなSEO対策
逆SEOと並行して、ポジティブなSEO対策を行うことも重要です。ここでは、質の高いコンテンツ作成、適切なキーワード選定、健全な外部リンクの獲得について解説します。
質の高いコンテンツ作成
自社ブランドに関する正確で信頼できる情報発信が、逆SEOにおいて非常に重要です。オリジナルで価値の高いコンテンツを作成し、ユーザーに有益な情報を提供しましょう。これにより、ブランドの信頼性を高め、ポジティブな評判を構築できます。
適切なキーワード選定
自社ブランドに関連する適切なキーワードを選定し、コンテンツに自然に組み込むことが大切です。ユーザーの検索意図を捉えたキーワードを使用すれば、検索結果での露出を高め、ブランドの認知度向上につなげられます。
健全な外部リンクの獲得
信頼できる外部サイトからの自然なリンク獲得は、サイトの評価を高める上で重要な要素です。質の高いコンテンツを作成し、そこから適切なアンカーテキストを使ってリンクを張り、健全な外部リンクの獲得を目指しましょう。
逆SEOの効果測定
逆SEOの効果を測定するには、いくつかの指標を継続的に監視する必要があります。ここでは、検索順位の変化と流入トラフィックの分析、オンライン上の評価の監視、逆SEO施策の定期的な見直しについて解説します。
検索順位の変化と流入トラフィックの分析
自社ブランドに関するキーワードの検索順位を定期的にチェックし、ネガティブな検索結果の順位が下がっているかを確認しましょう。また、GoogleAnalyticsなどのツールを使って、流入トラフィックの変化を分析することも重要です。
オンライン上の評価の監視
ソーシャルメディアやレビューサイトなど、オンライン上のさまざまなチャネルで自社ブランドに関する評価をモニタリングしましょう。ネガティブな言及を早期に発見し、適切な対処が求められます。
逆SEO施策の定期的な見直し
逆SEOの施策は、定期的に見直しと改善を行う必要があります。ネガティブな検索結果の動向や、オンライン上の評判の変化を注意深く観察し、施策の効果を測定しましょう。必要に応じて、戦略の修正や新たな施策の導入を検討することが重要です。
逆SEO対策で留意するべき点
逆SEO対策で留意するべき点は、成果が出るまでに、※SEO対策と同様に約4か月から1年位の時間がかかるということです。
※Googleは、SEO対策の効果が出るためには、通常は、約4か月から1年位かかると、公式ホームページで公表しています。
また、Googleなどの検索エンジンは、常に検索順位を決めるアルゴリズムをより良く改善しているため、順位は入れ替わります。逆SEO対策で、自社のWebサイトを上位表示させることに成功しても、その後も継続的にSEO対策を行う必要があります。
検索エンジンでトップシェアを誇るGoogleは、ユーザーのためになるWebサイトを、高く評価するよう努めています。特に、質が高いコンテンツと、どのデバイスでも使いやすいサイトデザインや快適な読み込み速度などは、必要不可欠な要素です。常にユーザーのためになる有益なWebサイト作りを心掛けていれば、いずれ検索上位になる可能性は高まります。
検索上位になったWebページのランキングをチェックし、順位が下がらないようにする内部施策と外部施策は重要なことですが、リライトのみには注意が必要です。
早期に上位表示された記事に関して、早い段階では、誤字脱字と新旧情報の削除・追記以外のリライトは控えた方がよいでしょう。なぜなら、約4カ月以内の早期にミドルワードかスモールワードなど、いずれかのキーワードで1~3位に表示された記事は、Googleクローラーに内容を高評価されたということです。それなのに、半年以内にタイトルや文章を書き換えるリライトをされてしまうと、逆に順位が下がるケースが多々あります。
もし早期に上位表示されたコンテンツの順位をもっと上げたいという場合は、早々にタイトルや文章をリライトするのではなく、視覚的に読みやすくデザイン性の優れたサイトにする方が効果的です。短文記事は問題ありませんが、長文記事は、ユーザーが読み進めやすいデザインのサイトでなければ飽きやすい要素となり、ページから離脱されやすく、高順位をキープするのは難しくなっていきます。
Googleクローラーは、サイトのデザインではなく、有益でオリジナル性があり高品質な内容の微妙な差を高く評価できますが、一般的なユーザーは、文章力や情報量の微妙な差に対して、クローラーほど敏感ではありません。ほとんどの人の目で見れば、上位表示サイトの各文章は甲乙つけがたく、それぞれがそれなりに素晴らしいからです。よって、学術利用者以外の一般的な人びとは、白黒新聞のような文字ばかりのサイトは好まず、写真付きで読みやすくカラフルなデザインのサイトに長く留まる傾向があります。
なお、Google Search ConsoleにURLを登録してサイトマップを送信してから、半年以上経過しても上位表示されないコンテンツは、そのままでは上位表示は難しいかもしれません。半年以上経過した場合には、タイトルや文章を書き改めるリライト作業をおすすめします。
いずれにしても、長期的な視点を持ち、良質なコンテンツを増やしていくことが、逆SEOに最も効果的です。
行ってはいけないスパム行為的な逆SEO
行ってはいけないスパム行為的な逆SEOも存在します。検索エンジンに認められない、または法に触れる可能性がある行為です。
Googleは、※「Google検索の基本事項」にて、スパム行為は検索結果から除外される可能性もあるというガイドラインを示しています。
行ってはいけないスパム行為的な逆SEOは、下記の通りです。
・順位を下げたいWebサイトとほぼ同じコピーサイト・コピーコンテンツを複数作成する。
(ガイドラインに反するスパム行為です。)
・低品質・低評価のサイトから、たくさんの被リンクを送る。
(ガイドラインに反するスパム行為です。)
・ハッキングやウイルス感染
(刑法で罰せられる可能性が高い犯罪行為です。)
・DMCA申請を使った著作権侵害の虚偽申請
(刑法で罰せられる可能性が高い犯罪行為です。)
【参考:Google「Google検索の基本事項」】
逆SEOの具体的な事例と効果
ここでは、逆SEOの具体的な事例を紹介し、その効果について解説します。
ブランドイメージ保護の事例
ある大手企業が、自社ブランドに関する根拠のない悪評が拡散される問題に直面しました。同社は速やかに逆SEO対策を実施し、ネガティブな検索結果の排除に成功。ブランドイメージの悪化を食い止めました。
風評被害対策の事例
あるレストランチェーンが、一部の店舗での衛生管理問題により風評被害を受けました。同社は逆SEOを活用し、問題となった店舗の情報を検索結果から排除。併せて、衛生管理の改善に関する正確な情報を発信することで、風評被害の沈静化に成功しました。
競合他社による悪質な攻撃への対処事例
ある企業が、競合他社による悪質な風評工作の被害に遭いました。同社は逆SEOの手法を用いて、虚偽の情報を排除。同時に、自社の公式見解を発信することで、信頼回復に努めました。
逆SEOの被害にあった際の対策方法
万が一、逆SEOの被害を受けると、自社サイトの順位が下がります。
逆SEOの被害を受けた時の対策方法をご案内します。
Googleサーチコンソールで日々確認する
Google Search Console→リンク→外部リンクをエクスポート→被リンク一覧を確認できます。
不適切な被リンクを否認
Google Search Consoleで不適切なリンクがあった際は、そのサイトに直接、削除申請を行います。もしくは、※リンク否認ツールに申請します。
自社サイトのドメインパワーを上げる
自社サイトに高評価のWebページが増えるように努め続けることで、自社サイトのドメインパワーが高くなり、逆SEOの被害よりも強いサイトが構築されていきます。
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【参考:Google「サイトへのリンクを否認する」】
逆SEO対策は効果が出るまで時間がかかる
逆SEO対策は、効果が現れるまでに時間が必要であり、特にドメインパワーの強いサイトを対象にする場合、その上位表示を覆すことは簡単ではありません。逆SEOの効果を最大化するためには、専門知識や技術、適切なインフラを基にした戦略が必要です。
そのため、個人で対策を行うよりも、早急な効果を期待する場合は逆SEOサービスを提供する専門業者に依頼することも一つの方法として考える必要があります。
なお株式会社ipeではWebサイトのSEO対策無料診断を行っています。300社のコンサルティングノウハウを基に貴社サイトの課題を洗い出します。課題の原因を特定し、きちんと実行できる施策を立案させていただきます。
まずは無料診断を受けて、自社に支援が必要かどうか、確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
逆SEOによるネガティブな評判管理は重要
企業やブランドのレピュテーションを守るためには、逆SEOが欠かせません。本記事では、逆SEOの基本的な知識から、具体的な手法と実践方法、事例と効果、注意点、併せて行うべきポジティブなSEO対策まで、幅広く解説してきました。
逆SEOを効果的に実践するには、適切な戦略の立案と、継続的な施策の実行が必要です。ネガティブキーワードの設定、低品質コンテンツの削除、有害バックリンクの除去など、さまざまな手法を状況に応じて使い分けることが求められます。
また、逆SEOと併せて、ポジティブなSEO施策にも注力することが重要です。質の高いコンテンツを作成し、適切なキーワードを選定、健全な外部リンクを獲得することで、ブランドの信頼性を高められるでしょう。
逆SEOは専門的な知識と経験が必要とされるため、自社だけですべてを行うのは難しいと感じる方も多いかもしれません。そのような場合は、SEOコンサルティングの専門企業である株式会社ipeに相談することをおすすめします。
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