SEO対策とは、「Search Engine Optimization（検索エンジン最適化）」の略で、自社サイトを検索エンジンで上位表示させるために行う施策のことです。通常はWebページに行う施策ですが、実はPDFファイルにもSEO対策を行うことができ、その効果が期待できます。今回は「PDFに行うSEO対策」に焦点を当て、その概要やWebページとの違い、インデックス登録の対象になるPDF、具体的な施策、注意点などをご紹介します。気になるポイントを一挙確認しましょう。

SEOとは？基礎知識と初心者がやるべき対策をわかりやすく解説

自社サイトの流入数を増やし、ビジネスを成長させるにはSEO対策(検索エンジン最適化)が欠かせません。このページでは初心者の方でもわかりやすいように、「SEO対策がそもそもどのようなものなのか？」を解説します。基本的な概念をどこよりもわかりやすくご紹介するので、SEO対策を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

PDFにもSEO対策が有効

PDFファイルは、検索エンジンの検索結果に表示される場合があります。そのため適切なSEO対策を施せば、PDFファイルを検索上位に導き、多くのユーザーに見てもらうことが可能です。

PDFファイルは、テキストベースのコンテンツを含むため、検索エンジンにとって読み取りやすい形式だと言えます。ただし、PDFファイルのSEO対策には、いくつかの注意点があります。ファイルサイズが大きすぎたり、テキスト情報が埋め込まれていなかったりすると、検索エンジンに正しく認識されない可能性があるのです。

PDFファイルのSEO対策を適切に行うと、Webサイトの検索順位向上にも貢献できるでしょう。PDFファイルとWebサイトの両方の最適化が、SEO成功のカギです。

PDFとWebページの違い

上記のように、PDFとWebページとでは、構築されたベースが異なります。結論から申し上げると、Google検索エンジンとの親和性が高いHTMLで制作されたWebページの方が、Googleに高く評価されやすいです。たとえば、Webページの場合、見出しや画像を用いてGoogleにアピールしたい情報やキーワードを明確に設定できますが、PDFは基本的にテキスト（本文）で勝負するしかないので、SEOでは不利になりがちです。

インデックス登録の対象になるPDFは？

PDFのすべてがインデックスの対象になるわけではありません。パスワード保護もしくは暗号化されていないPDFが対象になります。インデックス登録の対象になるかを判断するには、本文の一部をメモアプリなどのテキスト文書にコピペすることです。それができれば、インデックス登録の対象としてGoogleに認識されます。他にも、検索エンジンの検索フォームに本文の一部をコピペして検索し、PDFが検索結果に表示されれば、インデックス登録されていることになります。

PDFにSEO対策をする際の具体的な施策

具体的には、以下のような施策が効果的です。

テキストベースのPDFの使用する

テキストベースのPDFは、キーワードや重要な情報が検索エンジンによって直接読み取られ、SEO対策に大きな利点をもたらします。テキストベースのPDFを使用すれば、検索エンジンが内容を簡単に把握し、インデックス作成を行うのが容易になるためです。

対して、印刷された文書をスキャンして作成されたPDFは、テキスト情報が画像として埋め込まれるため、検索エンジンによるテキストの読み取りが困難です。

キーワードを最適化する

PDF内のコンテンツは、適切に選ばれたキーワードを含むべきです。これは、HTMLページにおけるキーワード戦略と同様に重要といえます。

キーワードは、文書の内容と密接に関連しており、自然な文脈で使用されるべきです。適切なキーワードの使用は、検索エンジンがPDFファイルの主題と関連性を理解するのに役立ち、検索結果でのランキング向上に寄与します。

ファイルのタイトルを最適化する

PDFファイルのタイトルは、検索結果に表示されるため、SEOの観点から重要な要素です。タイトルには、そのPDFファイルの内容を端的に表す、キーワードを含めるようにしましょう。

また、タイトルは簡潔でわかりやすい文が必要です。長すぎるタイトルは、検索結果で途中で切れてしまう可能性があります。

見出し構造を考える

PDFファイル内の見出し構造も、SEOに影響を与えます。見出しタグ(H1、H2、H3など)を使って、適切な見出し階層を設定しましょう。

見出しには、重要なキーワードを盛り込むことをおすすめします。ただし、見出しタグの使いすぎには注意が必要です。適度な量で、内容を的確に表現する見出しを心がけましょう。

テキストを改善する

PDFファイル内のテキストは、検索エンジンがコンテンツを理解する上で重要な役割を果たします。テキストには、適切なキーワードを自然に盛り込みましょう。

また、テキストはできる限り構造化され、読みやすいものが求められます。箇条書きや段落分けを活用し、ユーザーにとって読みやすい文章を心がけましょう。

メタデータを活用する

PDFファイルには、メタデータと呼ばれる付加情報を設定できます。タイトルやサブジェクト、キーワード、作成者情報などのメタデータを適切に入力すれば、検索エンジンにPDFファイルの内容を伝えられます。

特に、キーワードを含めたサブジェクトの設定は、SEOの観点から重要だと言えるでしょう。

サイズを圧縮する

PDFファイルのサイズが大きすぎると、検索エンジンによるインデックス登録が遅れたり、除外されたりする可能性があります。ファイルサイズは、できる限り小さくすることが望ましいです。

画像の圧縮や、不要なデータの削除などを行い、ファイルサイズの最適化を図りましょう。ただし、画質や読みやすさを損なわないよう、バランスを考えることが大切です。

PDFファイルのSEO対策では、これらの要素を総合的に最適化することが求められます。個別の要素だけでなく、PDFファイル全体としての最適化を意識しましょう。

ユーザビリティを向上させる

PDFファイルは、ユーザビリティを重視して作成されるべきです。これには、クリアなレイアウト、分かりやすい目次、効果的なリンクの組み込みなどが含まれます。

ユーザビリティが高いPDFは、読者にとって価値があり、共有されやすくなるため重要です。これは、PDFのSEO効果を高めると同時に、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、ブランドの信頼性を高めるのにもつながります。

PDFのインデックス対策

PDFファイルを検索エンジンに正しくインデックスしてもらうためには、いくつかの対策が必要です。ここでは、URLの最適化や内部リンクの設置、サイトマップへの追加、Canonical URLの設定について解説します。

URLを最適化

PDFファイルのURLは、できる限りシンプルで、内容を表すキーワードを含むものが望ましいです。動的なパラメータやIDの使用は避け、静的なURLを使用しましょう。

また、URLの階層構造もシンプルさが大切です。深い階層のURLは、検索エンジンがクロールしづらい傾向にあります。

内部リンクを設置

PDFファイルへの内部リンクを設置すれば、検索エンジンにPDFファイルの存在を伝えられます。関連するWebページからPDFファイルへのリンクを貼れば、PDFファイルの重要性を示せます。

内部リンクを設置する際は、アンカーテキストにPDFファイルの内容を表すキーワードを含めるのが効果的でしょう。

サイトマップへの追加

PDFファイルをサイトマップに追加すれば、検索エンジンにPDFファイルの存在を明示的に伝えられます。XMLサイトマップにPDFファイルのURLを含め、検索エンジンに提出しましょう。さらにサイトマップによって、PDFファイルのクロールやインデックス登録も促進できます。

Canonical URLの設定

PDFファイルと同じ内容のWebページが存在する場合、Canonical URLの設定をおすすめします。Canonical URLを設定すれば、重複コンテンツとみなされるリスクを回避できるからです。

PDFファイルにCanonical URLを設定する場合は、rel=”canonical”属性を使用します。同じ内容のWebページのURLを指定しましょう。

これらのインデックス対策を施せば、検索エンジンにPDFファイルを的確にインデックスすることが可能です。Webサイト全体の構造との整合性を保ちつつ、PDFファイルのインデックス対策を進めていきましょう。

PDFの構造化データ対策

構造化データを活用すれば、PDFファイルのSEO効果をさらに高められます。ここでは、PDFファイルへの構造化データマークアップの方法や、スキーマの選定、リッチリザルト表示への活用について解説します。

構造化データマークアップ

PDFファイルに構造化データマークアップを施すことで、検索エンジンにコンテンツの意味や関連性を伝えることが可能です。構造化データを記述する際は、JSON-LDやMicrodata、RDFaなどの形式を使用します。

PDFファイルでは、headline、datePublished、authorなどの属性を使って、コンテンツの主要な情報を構造化データで表現できます。

スキーマ選定

構造化データを記述する際は、適切なスキーマをの選定が必要です。PDFファイルの種類や内容に応じて、Article、NewsArticle、Reportなどのスキーマを選びましょう。

選定したスキーマに沿って、必要な属性を過不足なく記述することが大切です。

構造化データによるリッチリザルト表示

構造化データを適切に記述すれば、検索結果ページにおけるリッチリザルト表示の対象になる場合があります。リッチリザルトとは、通常の検索結果よりも目立つ形式で表示される、画像やレビュースター、価格情報などを含んだ検索結果を指します。

PDFファイルがリッチリザルトで表示されれば、ユーザーの注目を集めやすくなり、クリック率の向上が期待できるでしょう。

構造化データの記述には専門的な知識が必要ですが、PDFファイルのSEO効果を高める上で非常に有効な手段だと言えます。Webサイト全体の構造化データ戦略の中に、PDFファイルへの組み込みもおすすめです。

PDFのモバイル最適化

スマートフォンの普及に伴い、モバイル端末からPDFファイルにアクセスするユーザーが増えています。ここでは、レスポンシブ対応やモバイル表示速度の改善、AMP対応のPDFビューアの活用について解説します。

レスポンシブ対応

PDFファイルをモバイルフレンドリーにするためには、レスポンシブ対応が欠かせません。レスポンシブ対応とは、端末の画面サイズに応じてレイアウトを最適化する手法を指します。

PDFファイルをレスポンシブ対応させるには、HTMLベースのPDFビューアを使用するのが効果的です。HTMLベースのPDFビューアなら、CSSを使ってレイアウトを柔軟に調整できます。

モバイル表示速度改善

モバイル端末では、通信速度が遅い場合があるため、PDFファイルの表示速度にも気を付ける必要があります。表示速度が遅いと、ユーザーがページを離脱してしまう可能性があるからです。

PDFファイルの表示速度を改善するには、ファイルサイズの圧縮や、不要な要素の削除などが有効です。また、PDFファイルを分割して表示するなど、ユーザーの待ち時間を減らす工夫も大切でしょう。

AMP対応のPDFビューアの活用

AMP(Accelerated Mobile Pages)は、モバイルページの表示速度を高速化する技術です。AMP対応のPDFビューアを使用すれば、PDFファイルの表示速度を大幅に改善できます。

また、AMPページ内でPDFファイルを埋め込むことで、ユーザーの利便性を高められるでしょう。

モバイル端末でのユーザーエクスペリエンスは、SEOにも大きな影響を与えます。PDFファイルのモバイル最適化を進め、ユーザーにとって使いやすい環境の整備が求められます。

PDFのアクセス解析

PDFファイルのアクセス解析は、SEO施策の効果検証や、改善点の発見に役立ちます。ここでは、PDFファイルのアクセス状況の把握や、ユーザー行動分析、コンテンツ改善への活用について解説します。

アクセス状況の把握

PDFファイルのアクセス状況を把握するには、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを活用するのが効果的です。アクセス数や閲覧時間、離脱率といった指標を確認すれば、PDFファイルの人気度や読まれ方を知れます。

また、流入元や検索キーワードなどの情報も重要です。どのようなチャネルから、どのようなキーワードでPDFファイルにアクセスしているのかを分析することで、SEO施策の効果を測定できるでしょう。

ユーザー行動分析

PDFファイル内でのユーザーの行動を分析し、コンテンツの改善点を見つけられます。スクロール深度や、リンクのクリック率を計測すれば、ユーザーがPDFファイルをどこまで読んでいるのか、どの部分に関心を持っているのかを知ることが可能です。

また、ユーザーの属性情報を分析することで、ターゲットユーザーの理解を深められるでしょう。

コンテンツの改善への活用

アクセス解析で得られたデータは、PDFファイルのコンテンツ改善に活用しましょう。よく読まれているページや、離脱率の高いページを特定し、内容を充実することが大切です。

また、検索キーワードの分析結果を基に、新たなコンテンツの企画や、キーワードの最適化なども効果的でしょう。

PDFファイルのアクセス解析は、SEOの改善サイクルに欠かせない要素です。定期的にデータを確認し、PDCAサイクルを回していくことが求められます。

PDFにSEO対策をする際の注意点

基本的に、Webページに行うSEO対策とPDFに行うSEO対策に大きな違いはありません。しかし、中にはWebページでは通用して、PDFでは通用しない施策もあります。ここでは、PDFにSEO対策をする際の注意点について2点解説します。

画像だけでは認識されない

基本的に検索エンジンは、PDFに記載された文字情報を読み取って評価します。なので、PDFに掲載した画像は、検索エンジンに認識されないことを覚えておきましょう。

なお、OCR（Optical Character Reader）というソフトを活用すれば、掲載した画像に見えないテキストを設定でき、検索エンジンが画像を文字として認識してくれるようになります。画像に対策キーワードを挿入して対策を図りましょう。

重複コンテンツを避ける

重複コンテンツがある場合、Googleはコピーコンテンツと判断し、SEO評価を下げる傾向にあることを把握しておきましょう。なお、自社サイト内で重複する内容のPDFを複数公開したい場合は、canonicalタグ（※）設定しましょう。Google検索エンジンから低評価を受けるリスクを回避できます。

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ユーザーファーストを心がける

PDFファイルのSEO対策では、ウェブページと同様にユーザーファーストを心がけることが重要です。SEO対策には、適切なファイル名の選定、タイトルやメタディスクリプションの設定、見出しの使用、キーワードの適度な使用が含まれます。

これにより、Google検索エンジンからPDF内容を正確に判別されやすくなります。また、PDFは装飾が少なく情報量が多いため、テキストの構成や読みやすさに注意し、読み応えのあるコンテンツを心がけることが望ましいです。

PDFファイルのモバイル最適化やファイルサイズの圧縮もSEOパフォーマンス向上に寄与します。

PDFにSEO対策を実施して検索順位上位を獲得しよう！

本記事では、PDFファイルのSEO対策について、基本的な考え方から具体的な手法まで、幅広く解説してきました。
PDFファイルは、Webサイトと同様に検索エンジンの検索結果に表示されるため、SEO対策が重要です。PDFファイルのタイトルや見出し構造、テキスト情報の最適化、メタデータの活用など、様々な要素に気を配ることが求められます。
また、PDFファイルのインデックス対策として、URLの最適化や内部リンクの設置、サイトマップへの追加などが欠かせません。構造化データの活用によって、リッチリザルト表示を狙うのも効果的でしょう。
モバイル端末でのユーザーエクスペリエンスも重要な要素です。レスポンシブ対応や表示速度の改善、AMP対応のPDFビューアの活用など、モバイルフレンドリーな設計を心がける必要があります。
PDFファイルのアクセス解析も忘れてはいけません。データを活用して、コンテンツの改善や新たな施策の立案につなげることが大切です。
PDFファイルのSEO対策は、Webサイト全体のSEO戦略と連動させることが理想的です。両者を効果的に組み合わせることで、検索上位表示とユーザー満足度の向上を実現できるでしょう。
ただし、PDFファイルのSEO対策には専門的な知識と経験が必要とされます。自社だけですべてを最適化するのは難しいと感じる方も多いはずです。

そのような場合は、SEOの専門企業であるipe株式会社に相談することをおすすめします。ipeでは、PDFファイルのSEO対策を含む、総合的なSEOコンサルティングサービスを提供しています。
PDFファイルのSEO対策に真剣に取り組み、検索上位表示を目指して継続的な改善を重ねていきましょう。ipeがあなたのPDFファイルのSEO対策を強力にサポートいたします。