パンくずリストとは?SEO効果や作り方、デザインの参考になる注意点
パンくずリストとは、ユーザーがサイト内のどの位置にいるかを表すリストです。ページの最上部に設置されていることが多く、そのページが属する階層構造がリスト化されています。この記事では、パンくずリストを設置するメリットやSEO対策としての効果、作成時に気をつけるべきことをご紹介します。
パンくずリストとは
パンくずリストとは、Webサイト内の現在位置を示すナビゲーション要素のことを指します。一般的には、サイトのトップページからユーザーが現在閲覧しているページまでの階層構造を、リンクとして表示します。
パンくずリストの主な役割は、ユーザーがサイト内の現在位置を把握しやすくすること、ユーザーがサイト内の上位階層のページに簡単にアクセスできるようにすること、そして検索エンジンにサイトの階層構造を明示的に伝えることです。
適切に実装されたパンくずリストは、ユーザーのサイト内ナビゲーションを助け、利便性を向上させます。また、検索エンジンにとっても、サイトの構造を理解しやすくなるため、SEO効果も期待できるでしょう。サイトの規模や複雑さに関わらず、パンくずリストを導入することは、ユーザビリティとSEOの両面で有効な施策といえます。
パンくずリストの一例
パンくずリストの名前の由来
パンくずリストという名前は、童話「ヘンゼルとグレーテル」が由来となっています。主人公である兄妹が森へ入っていくとき、どこを通ったかがわかるように来た道にパンくずを置いていきました。このエピソードから、ユーザーが辿ったルートと現在地を示すリストを「パンくずリスト」と呼ぶようになったのです。
パンくずリストのSEO効果
パンくずリストは、SEOに好影響を与える重要な要素として知られています。パンくずリストを適切にマークアップすることで、検索エンジンにサイトの階層構造を明確に伝えることが可能です。
これにより、検索エンジンはサイトの構造を理解しやすくなり、関連性の高いページをインデックスしやすくなります。また、パンくずリストのリンクをたどることで、検索エンジンのクローラーがサイト内の重要なページを発見しやすくなり、クロール効率が改善します。
さらに、パンくずリストは、サイト内の内部リンク構造を強化する役割も果たすのです。上位階層のページから下位階層のページへのリンクを適切に設置することで、リンク構造の最適化が図れます。
加えて、パンくずリストによってユーザーエクスペリエンスが向上すると、サイト内の滞在時間が増加し、直帰率が低下する傾向があります。これらの行動指標の改善は、検索エンジンからサイトの品質を高く評価される要因の一つです。
パンくずリストの3つの種類
パンくずリストは主に現在地を示すものですが、属性(カテゴリー)や経路を示すものもあります。パンくずリストの3つの種類について紹介します。
・属性型パンくずリスト
・パス型パンくずリスト
位置型パンくずリスト
ユーザーが現在閲覧しているページが階層構造のどの位置にあるかを示し、最も多く利用されるパンくずリストです。ページそのものが同じであれば、経路が違っても表示されるリストは同じになります。位置型パンくずリストの設置に向くのは、豊富なコンテンツを保有し、多くの階層があるサイトです。
属性型パンくずリスト
閲覧しているページがサイト上のどの属性(カテゴリー)に分類されているかを表すパンくずリストです。検索フィルターのような役割をしており、ユーザーの操作によってリストが変化していきます。複数の選択肢を選びながら商品購入画面などに進んでいくようなサイトに用いられることが多いです。
パス型パンくずリスト
現在地を表すのではなく、どのようなページを経て現在地に辿り着いたかを表します。つまり、ユーザーの辿った経路によって変化する動的なリストです。ブラウザの戻るボタンや検索履歴と同様の役割をすることから、履歴型パンくずリストとも呼ばれています。現在では使われることが少なくなっています。
パンくずリストを設置する3つのメリット
多くのサイトでパンくずリストが設置されているのは、パンくずリストがユーザーやサイトに対して3つのメリットをもたらすためです。ここでは、パンくずリスト設置のメリットをご紹介します。
・SEO対策
・クリック率の上昇
ユーザビリティの向上
ユーザビリティとは、利便性や快適性のことです。パンくずリストを設置すれば、ユーザー自身が今サイトのどこにいるのかがわかりやすくなり、使いやすいサイトになります。また、ユーザーが最初から下層のページを閲覧することもあります。パンくずリストからユーザーが訪れたページよりも上位階層にあるページに移動することも可能なため、同じカテゴリーの別のページを閲覧してもらえる可能性が上がります。
また、ページへ移動する経路が複数ある場合は、1つのページの中に複数のパンくずリストを指定できます。複数の経路を設置すると、ユーザーは自分が辿った経路ではない別の経路を確認できるようになります。すると他カテゴリーへの移動が可能になり、さらにユーザビリティを向上させることができるのです。
SEO対策
パンくずリストを設置すると、クローラーが巡回しやすくなります。クローラーとは、検索エンジンが利用している自動的にサイトの情報を収集するロボットのようなもののことです。クローラーがサイトを巡回しやすくなると、サイトを適切に評価してもらえるようになり、SEO対策として効果が見込めます。新しいコンテンツを作成したときも、パンくずリストを通してクローラーに認識してもらいやすくなります。
クリック率の上昇
適切に設置されたパンくずリストは、ページタイトルとディスクリプションとともに検索結果に表示させることができます。掲載されるパンくずリストはタイトルの上部に表示されます。パンくずリストがあるとページの内容がわかりやすくなり、検索結果の段階でユーザーの求めている情報が掲載されているかどうかを判断できます。ユーザーが欲しい情報が掲載されていることが分かれば、クリック率も上昇するでしょう。
パンくずリストの作成方法
パンくずリストを作成する際は、マークアップ方法、デザインと配置のポイント、階層構造の設計などの重要なポイントを押さえておく必要があります。
マークアップ
パンくずリストのマークアップには、構造化データを用いるのが一般的です。代表的な方法としては、JSON-LDとMicrodataが挙げられます。
JSON-LDは、JavaScriptのオブジェクト表記法を用いてデータを構造化する方法で、記述がシンプルで実装が容易です。一方、Microdataは、HTMLの属性として構造化データを記述する方法で、パンくずリストの階層構造を明示します。どちらの方法を選択するかは、サイトの構築方法やパンくずリストの実装難易度を考慮して決定しましょう。
デザインと配置
パンくずリストのデザインと配置は、ユーザビリティに直結する重要な要素です。サイトデザインとの一貫性を保ち、色彩、フォント、アイコンなどを統一し、違和感のない設計を心がけましょう。
また、パンくずリストは、ユーザーが見つけやすい位置に配置することが大切です。一般的には、ページの上部やコンテンツエリアの上部に表示するのが効果的とされています。さらに、パンくずリストのリンクとテキストは、明確に区別できるようにし、モバイルデバイスでの表示にも対応させることが重要です。
階層構造の設計
パンくずリストが効果的に機能するためには、サイトの階層構造を適切に設計することが重要です。トップページから下位のページへと続く階層は、論理的でわかりやすい構造になっている必要があります。
また、階層が深くなりすぎないように注意し、一般的には3〜4階層までに抑えるのが望ましいとされています。重要なページへのアクセシビリティを確保することも大切です。
パンくずリスト作成にあたって注意すべきポイント
パンくずリストをただ作って設置するだけでは、パンくずリストのメリットを生かしきれない可能性があります。パンくずリストを作成するときに注意しておくべき5つのポイントを紹介します。
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わかりやすい階層構造にする
サイトはページ数が多くなるほど複雑になり、パンくずリストを最適に保つことが難しくなります。しかし、ページ数が多くても階層構造がわかりやすければ、パンくずリストもわかりやすくなり、ユーザーにも使いやすいサイトになるのです。関連のあるコンテンツをカテゴライズして整理するなど、わかりやすい構造設計を心がけましょう。
パンくずリストをサイト内の全ページに設置する
パンくずリストは、トップページ以外の全てのページに設置しましょう。キャンペーンページなどのカテゴリーに分類できないページには無理矢理設置しなくてもよいです。なお、WordPressを利用しているサイトはプラグインやテーマで簡単にパンくずリストの表示設定ができます。
パンくずリストにSEO対策キーワードを含ませる
パンくずリストに検索される頻度の高いキーワードを含ませると、上位表示されやすくなります。ただし、キーワードを含ませすぎるとGoogleから「キーワードの乱用」とみなされ、手動での対策を受けかねません。ユーザーの混乱を招く恐れもあるため、無理にキーワードを含めずユーザビリティを意識したパンくずリストを設定しましょう。
スマートフォン用サイトにもパンくずリストを設置する
Googleはモバイルファーストインデックスを重視し、スマホサイトをページ評価の基準としています。したがって、スマホサイトにもパンくずリストを設置しましょう。しかし、ページ上部のパンくずリストはページが下層になるほど長くなり、邪魔になることがあります。途中の階層を省略して表示したり、横スクロールでパンくずリストを表示したりするなどの工夫が必要です。
URLのパス部分をそのまま使用しない
URLのパス部分をそのままパンくずリストに利用しているものを時折見かけますが、このようなパンくずリストではユーザーが現在地を把握しにくくなってしまいます。ユーザビリティを上げるためにもURLの一部をパンくずリストに反映することはせず、SEOキーワードやカテゴリー名を使ってパンくずリストを作成しましょう。
設置場所にこだわらずユーザビリティを重視する
パンくずリストの設置場所は機能的にはどこでも構いません。
通常、ページの上部に設置されることが多いですが、スマートフォンなどの小さな画面での利用を考慮し、ページ下部に設置することも推奨されています。これは、上部に設置するとメインコンテンツが下に押し下げられ、ユーザー体験が損なわれる可能性があるためです。
パンくずリストの設置場所は、サイトのデザインやユーザーの利便性を考慮して決定することが重要といえるでしょう。
重複や欠落を避ける
パンくずリストに重複したURLが含まれていたり、必要なページが欠落していたりすると、SEOに悪影響をおよぼす可能性があります。サイトマップとパンくずリストを照らし合わせ、齟齬がないように管理することが大切です。定期的なチェックを怠らないようにしましょう。
カノニカルURLと一致させる
パンくずリストのリンク先とカノニカルURLは、一致させるのが原則です。別のURLを指定してしまうと、検索エンジンに混乱を与えかねません。パンくずリストとカノニカルURLを統一し、一貫性を保つことが求められます。
パンくずリストの活用事例
パンくずリストは、さまざまなタイプのWebサイトで活用されています。ここでは、大規模サイト、ECサイト、ブログサイトでの活用事例を紹介します。
大規模サイトでの活用例
大規模なWebサイトでは、パンくずリストがユーザーのナビゲーションを助ける重要な役割です。複雑な階層構造を持つサイトほど、パンくずリストの効果は大きいでしょう。適切に実装されたパンくずリストは、ユーザーの迷子を防ぎ、離脱率の低下にもつながります。
ECサイトにおける使用方法
ECサイトでは、商品カテゴリーの階層を表現するのにパンくずリストが活用されます。ユーザーが商品を探しやすくなるだけでなく、購入に至るまでの導線をスムーズにする効果も期待できるでしょう。また、商品ページから関連カテゴリーへの誘導にも役立ちます。
ブログサイトでの活用のコツ
ブログサイトでは、カテゴリーやタグをパンくずリストで表現するのが一般的です。記事の主題や関連性を明確に示すことで、ユーザーのエンゲージメント向上や滞在時間の増加が見込めます。また、関連記事へのリンクを設置することで、サイト内の回遊性を高めることもできるでしょう。
パンくずリストのテストと改善
パンくずリストの効果を最大限に引き出すには、継続的なテストと改善が欠かせません。ここでは、クリック率の測定方法、ABテストの実施方法、ユーザー行動分析に基づく改善について解説します。
クリック率を測定する方法
パンくずリストのクリック率を測定することで、ユーザーの動向を把握できます。Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いて、パンくずリストのクリック数や経由するユーザーの割合を確認しましょう。データに基づいた改善策を検討することが重要です。
ABテストの実施方法
パンくずリストのデザインや配置を変更する際は、ABテストを実施するのが効果的です。2つのバージョンを用意し、一定期間ランダムに表示させることで、ユーザーの反応を比較できます。より高いクリック率やエンゲージメントが得られるバージョンを採用しましょう。
ユーザー行動分析に基づく改善
パンくずリストの改善には、ユーザー行動分析が欠かせません。ヒートマップなどを活用し、ユーザーがどのようにパンくずリストを操作しているかを観察することが大切です。ユーザーの行動パターンを理解し、それに合わせた最適化を図りましょう。
パンくずリストを効果的に活用しよう
パンくずリストは、ユーザビリティとSEOの双方に大きな影響を与える重要な要素です。本記事では、パンくずリストの基本的な知識から、実装時の注意点、活用事例、テストと改善の方法まで、幅広く解説してきました。
パンくずリストの効果を最大限に引き出すには、適切な設計と実装、継続的な改善が不可欠です。SEOの専門家である株式会社ipeでは、パンくずリストを含むWebサイトの総合的な最適化をサポートしています。
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