MECEとは?フレームワークや分かりやすい例、分析方法を紹介!

MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略語で、「モレなく・ダブりなく」と訳します。 ビジネスシーンでは、ロジカルシンキング(論理的思考)の元にある概念として頻繁に用いられ、あるビジネスにおいて、必要な要素を全て網羅しながらも、それらが重複しないようにする考え方です。 今回はMECEに焦点を当て、その概要や重要性、基本の考え方、注意点、役立つフレームワークなどをご紹介します。気になるポイントを一挙確認してしまいましょう。
MECEの意味や読み方
MECEは「Mutually、Exclusive、Collectively、Exhaustive」の略で、日本語では「ミーシー」と呼ばれています。この概念は、情報や要素を整理する上で重要な原則を表しています。
それぞれの単語の意味は、以下の通りです。
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具体的には、MECEは「モレやダブりのない状態」を指し、ロジカルシンキングの基本とされています。
ロジカルシンキングとは、物事を客観的に整理し、矛盾点のないように筋道を立てて考える思考法です。物事を整理する際、情報の漏れや重複を避けなければなりません。要素や情報をMECEで整理することで、抜け漏れや重複を防ぎ、論理的な展開を可能にします。
元々、MECEはコンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」で使われていた手法でしたが、現在ではマーケティングをはじめとするさまざまな分野で広く用いられています。
情報をMECEな枠組みに整理することで、分析がより明確になり、意思決定が効果的に行えるでしょう。MECEは、複雑な課題に取り組む際の頼れるツールであり、論理的な思考と体系的なアプローチを促進します。
MECEの重要性
MECEはビジネスにおいてどのような役割を果たしているのでしょうか。ここではビジネスにおけるMECEの重要性を詳しく解説していきます。
効率的に課題を解決できる
課題解決においてMECEを適用することで、効率的なアプローチが実現可能です。ダブりのない整理された要因は、課題の本質を明確にし、的確な戦略を立案するのに役立ちます。
近年のビジネスの課題は、複数の要因がからみ合っていることが多く、効率的な課題解決に欠かせません。そのため、複雑の要因を理解するために各要因を切り分けて論理的に把握することが必要です。
各要因にダブりがあると、同じような検討や分析が繰り返され、作業の効率が著しく低下する可能性があります。しかし、MECEのアプローチを用いれば、要因を網羅的かつ重複のない形で整理することで冗長な作業を排除し、課題解決に集中できる環境につなげられます。
結果として、リソースの最適活用や迅速な意思決定が可能となり、ビジネスの成果の向上が見込めるでしょう。
モレを防ぎ、全体の完成度を高める
ビジネス課題の要因を切り分ける際、MECEは欠かせないアプローチです。モレた部分が残ると、それらは不十分な検討に留まり、課題解決策の精度が低下する可能性があります。
例えば、課題が「全従業員の業務内容を改善する」とすると、対象を「20〜30代以下の非管理職と管理職」に絞って分析した場合、「40代以上の非管理職と管理職」が漏れてしまい、全従業員を対象に含めた課題の完遂が難しくなります。こうしたモレは目に見えない不備を生む可能性にもつながりかねません。
MECEを用いれば、要因のモレを最小限に抑え、課題を明確に捉えた上で解決策を検討できます。結果として、ビジネス上の課題に対する戦略的なアプローチが可能となり、全体の完成度を高めることが期待できるでしょう。
MECEの考え方の基本
ここでは、MECEの考え方の基本について2点解説します。
①:グルーピング
まずはMECEのグルーピングについてです。MECEは大枠2つのグループに分けることができます。
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トップダウンアプローチ
トップダウンアプローチとは、物事の全体像を捉え、全体の構成要素を目的や課題に沿った切り口で分類する方法です。
ゴールが明確な場合や、業務ノウハウがある場合など、分類方法が事前に分かっている場合に有効です。
メリット | デメリット |
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ボトムアップアプローチ
ボトムアップアプローチとは、新しい課題に挑戦する場合など、明確な基準やノウハウがない場合に使用する分析方法です。
全体像が不明瞭な場合や分類方法がわからない場合に有効です。
メリット | デメリット |
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②分解
次に分解についてです。MECEに分解する際、4つのポイントとなる切り口があります。
1.要素分解 | 物事の全体像を捉え、構成要素をピックアップする手法 |
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2.時系列・ステップ分け | 時系列や段階で分類する手法 |
3.対照概念 | 主観と客観、メリットとデメリットなどのように対照的な概念をできるだけ挙げる手法 |
4.因数分解 | 物事を計算式で表現し、1つ1つの要素に分解する手法 |
MECEとMECE以外の具体例
ここでは、MECEの例とそうでない例について解説します。
状態 | |
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MECE | ・モレなく、ダブりもない状態 |
MECEではない |
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MECEの例
ここでは、MECEの例について3点ご紹介します。
パターン | 具体例 |
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①日本国民をMECEに分ける | 年齢と性別に分けることで国民を網羅する
・年齢:10代、20代、30代… :性別:男性、女性… |
②日本列島をMECEに分ける | 日本国土を都道府県や地方別に分けることで網羅する
・都道府県:北海道、青森県、秋田県… ・地方別:関東、関西… |
③個性をMECEに分ける | 人の長所や短所に分けること網羅する
・長所:性格が優しい、真面目… ・短所:気が強い、行動力が足りない… |
MECEではない例
MECEではない例について3点解説します。
パターン | 具体例 |
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①モレがあり、ダブりがない状態 | ある雑貨店の売上を上げるために、来店する可能性のある顧客を分解するとします。
この時、「顧客数」×「顧客単価」で計算してしまうと、「顧客が来店する頻度がモレているため、MECEの考え方から外れている |
②モレがなく、ダブりがある状態 | 自社商品のターゲットを大人、子ども、男性、女性、若者…と挙げていくと、ターゲットは網羅できるが「大人と男性」や「老人と女性」などダブりが生じるため、MECEの考え方から外れている |
③モレがあり、ダブりもある状態 | 「学生」としてカテゴリーを分類する際、小学生、中学生、高校生、予備校生、受験生とグルーピングした場合、「予備校生と高校生」や「受験生と中学生」などダブりがあるだけでなく、学生であるはずの大学生がモレているため、MECEの考え方から外れている |
MECEを活用したフレームワーク一覧
ここでは、MECEを活用したフレームワーク例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
1.4P分析
4P分析は、企業の視点から製品やサービスを評価するための重要なツールです。このフレームワークは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4つの要素で構成されています。各要素を詳細に分析することで、企業は何をどのように売るべきかを検討することができます。
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ただし、誰に対して成約までの過程を行うペルソナ(商品を売る相手)を設定しなければ大きな効果は得られないでしょう。
4P分析はマーケティング戦略の基盤であり、競争力を向上させるための戦略策定に不可欠です。顧客ニーズに合わせて製品を開発し、適切な価格を設定し、効果的な販促活動を行い、適切な流通チャネルを選択することで、企業は市場での成功を目指せます。
2.4C分析
4C分析は、企業の製品やサービスを顧客の視点から評価するための枠組みです。この分析手法は、Customer Value(顧客価値)、Cost(経費)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の4つの要素で成り立っています。
各要素を考慮することで、企業は顧客にどのような価値を提供するべきかを洞察できます。
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具体的には、顧客価値を高めつつ、経費を最適化し、利便性を向上させ、効果的なコミュニケーションを確立することが目標です。4C分析は、4P分析と組み合わせて使用されることがあります。
企業の視点である4P分析と顧客の視点である4C分析を組み合わせて分析することで、効果的なマーケティングミックスを構築することができるでしょう。
3.SWOT分析
SWOT分析は、自社を取り巻く外部環境(競合、法律、市場トレンドなど)と内部環境(ブランド力、資産、価格、品質など)を分析するフレームワークです。主にマーケティングの意思決定や経営資源の最適化に活用されます。
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上記のStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)からなる分析を行い、新規または既存事業の将来的なリスクを洞察したり、改善点を把握したりするのに役立ちます。特に市場リサーチや市場分析の初期段階で頻繁に活用され、事業戦略の基盤を構築するのに重要なツールといえるでしょう。
4.3C分析
3C分析は、事業計画やマーケティング戦略を検討する際に用いられる手法です。この分析は、顧客(Customer)、自社(Company)、競合(Competitor)の3つの視点から成り立っています。自社のみならず、顧客のニーズや競合他社も考慮することで、より優れた市場分析が可能です。
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顧客視点では、顧客のニーズや要求を理解し、それに適した製品やサービスを提供するための基盤が構築されます。自社視点では、自社の強みと弱みを評価し、戦略の方向性を明確にします。競合視点では、競合他社との比較を通じて、自社の差別化ポイントや改善点を把握します。
3C分析はダブりやモレを排除し、幅広い視野で戦略を練るのに役立ちます。競合を通じて自社のポジションを再評価し、市場での競争力を高める手段として重要です。顧客、自社、競合の要素を統合的に分析することで、より戦略的かつ洞察力のあるアプローチが見込めるでしょう。
5.ロジックツリー
ロジックツリーは、核となる課題を関連する要素に分解し、解決策を検討する手法です。課題から派生する関連要素や分析範囲が、枝分かれする木のように広がっていくため、「ロジックツリー」と呼ばれています。この手法は、全体像を捉えつつ詳細な要素を分析する能力が特徴です。
ロジックツリーは、問題の根本的な原因を特定したり、想定されるリスクに対応するための有用なツールです。課題を階層的に整理することで、複雑な問題を理解可能な範囲に分割し、効果的な解決策を見つけ出すサポートをします。プロジェクト管理や意思決定のプロセスで、全体の構造と詳細の分析を組み合わせて行いたい場面で、ロジックツリーは効果的といえるでしょう。
MECEを行う場合の注意点
MECEを行う場合の注意点は主に2点あります。適切なMECEを行わなければ、思ったような結果は得られないでしょう。
ここから、MECEを行う場合の注意点を詳しく解説していきます。
MECEで全てを分類できるわけではない
MECEを行う際に注意すべき点は、全てを完璧に分類できない可能性です。例えば、本を分類する場合、漫画で描かれたビジネス書のように複数のカテゴリーに属するものが存在し、明確な分類が難しい場合もあります。
このようなときには、無理にMECEを適用し続けず、柔軟にアプローチを調整することが大切です。強引な分類は誤った結果を導きかねません。MECEの目的は整理と洞察を提供することであり、完璧な分類よりも、現実的で有益な分析結果を得ることを重視することが肝要です。
MECEを用いた分類自体が目的にならないようにする
MECEを適用する際の注意点は、分類自体が目的にならないようにすることです。MECEは問題解決のための整理手法であり、分類だけに固執するとその先の課題検討が後回しにされる恐れがあります。
なぜ分類を行うのか、どのような問題に対する解決策を検討するのか、最終的な目的を明確にすることが重要です。MECEの真の価値は、整理された情報を元に意味のある行動を起こすことにあります。分類を超えて課題に対する深い理解を得ることを忘れずに、目的を達成するためにMECEを利用しましょう。
MECEに関するQ&A
ここからMECEに関するよくある質問を紹介します。
MECEの目的は何?
MECEの目的は、課題をモレやダブりなく分類し、要因や対象を整理することにあります。課題を明確に整理することで、情報の把握が容易になるばかりでなく、具体的な解決策の検討にもつなげられます。整然とした構造により、問題の全体像や各要素の関係性を把握しやすいのが特徴です。
MECEのアプローチは、複雑な課題を体系的に理解し、的確な解決策を導くための強力な手段となります。
MECEな分け方とは、どのような状態?
MECEな分け方とは、物事の各要素をダブりやモレなく網羅する状態を指します。要素間に重複があったり、何かが抜けていたりすると、MECEの原則に合致していないといえます。MECEを適用する際は、要素の網羅性と整合性を確認し、ダブりやモレがないように注意深く分析することが重要です。
MECEはどのような時に使う?
MECEは、複雑な課題を整理し、ダブりやモレを防ぐ際に有用です。ビジネスにおいては、課題解決や戦略立案時に効果を発揮します。異なる切り口から要素を整理し、情報を整然とまとめることで、抜け漏れを回避し、洞察を得ることが可能です。
また、日常生活でもMECEは活用されます。買い物リスト作成などでも、必要なアイテムを分類して整理し、不足や余剰を防ぐ助けとなります。
MECEのアプローチは、さまざまな場面で効果的な思考法として活用できます。
MECEを意識したマーケティングで自社の売上を最大化しよう!
このページでは、MECEに焦点を当て、その概要や重要性、基本の考え方、注意点、役立つフレームワークなどについて解説しました。
MECEな考え方を身につけ、物事を整理して考えられるようになると、自分の考えを相手にわかりやすく納得しやすい形で伝えられるようになり、仕事をスムーズに進めることができるようになります。
しかし、MECEを概念として理解することは簡単ですが、実際に活用するのは難しいです。
MECEがうまく活用できない方は、ぜひご紹介した代表的なフレームワークを活用してみてください。
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