ECサイトのSEO対策は?参考にできる改善施策19選
EC市場は年々拡大しており、それだけ競合も増えています。もっと集客したい、売上アップしたい、そんな時に欠かせないのがマーケティングです。SEOはマーケティングの1種ですが、一般的なWebサイトとは少し異なるECサイトではそもそもSEOが必要なのか、どんなSEO施策をすれば良いのかは疑問点も多いでしょう。 そこで今回はECサイトのSEOの必要性や、ECサイトがやるべきSEO施策をご紹介します。
ECサイトにもSEOは必要?
ECサイトで売上を伸ばすにあたり、マーケティング施策は欠かせません。SEOもマーケティング施策の1つですが、一般的なWebサイトとは少し異なるECサイトにもSEOは必要なのでしょうか。まずはECの市場規模を踏まえて、ECサイトにSEOが必要な理由をみていきます。
ECの市場規模
経済産業省「電子商取引に関する市場調査」によると、2020年のEC市場は以下の通りです。
・BtoB-EC(企業間電子商取引):334.9兆円
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、調査開始以降初めて市場規模が増加しませんでした。しかしEC化率は増加傾向にあり、EC取引は引き続き進展しています。またtoCのEC市場では物販系分野が大部分を占めており、ジャンル別にみた内訳は以下の通りです。
生活家電・AV機器・PC・周辺機器等 | 2兆3,489億円 |
衣類・服装雑貨等 | 2兆2,203億円 |
食品、飲料、酒類 | 2兆2,086億円 |
生活雑貨、家具、インテリア | 2兆1,322億円 |
上記4ジャンルが物販系分野の73%を占めており、それだけ競合も多いジャンルということがわかります。
ECサイトにSEOが必要な理由
ECの市場規模の大きさからわかるように、ECサイトは売上の柱となる重要な存在です。近年では有名な店舗のEC化も進んでおり、同ジャンルの事業者は強力なライバルが増えつつあります。そこで重要なのが、多くの競合の中からどれだけ自社サイトで売上をあげられるかです。どんなに良い商品を扱っていても、どんなに良いECサイトであっても、ユーザーに知ってもらわなければ売り上げにはつながりません。
そのために行うのがマーケティング施策です。多くの場合、即効性もあり認知度の拡大にもつながるWeb広告やSNS広告を実施するでしょう。しかし広告は必ずしもユーザーがECサイトに訪れてくれるとは限らず、広告を回している限り継続的にコストも発生します。そのため広告だけに頼らず、中長期的な集客に期待できるSEO施策も同時に行うことが必要です。SEO施策で自然検索での上位を狙うことで、明確なニーズをもったユーザーが獲得でき、かつ長期的な顧客獲得に期待できます。
ECサイトがやるべき19のSEO施策
ECサイトは一般的なWebサイトに比べると、SEO施策が難しい点が特徴です。なぜなら、商品を売ることがメインであり、コンテンツで競合サイトと差別化を図ることが難しいからです。しかしだからといってSEO施策をするとしないとでは、大きな差が出てしまいます。ここではECサイトが取り入れるべき、19のSEO施策をご紹介します。
①適切なキーワードの選定
SEOの基本となるのが、キーワード選定です。ECサイトに訪れるユーザー検索のニーズを想定し、どんなキーワードで流入するかを分析してキーワードを選定します。キーワードは主に2つ「ビッグキーワード」と「スモールキーワード」に分類されます。ビッグキーワードは1単語からなる検索ボリュームの大きいキーワードです。検索ボリュームは多いものの検索ニーズが多様であり、具体的なアクションにつながりにくい点がデメリットです。さらにビッグキーワードはドメインパワーの強いAmazonや楽天、ZOZOTOWNなどの大手が上位を占める傾向にあるため、検索上位を狙うキーワードとしては現実的ではありません。そこで狙うべきが、より具体的なニーズを入れ込んだスモールキーワードです。
スモールキーワードの選定方法
スモールキーワードはビッグキーワードよりも検索ボリュームが少ないですが、具体的なアクションが見込みやすいキーワードです。さらにビッグキーワードよりも検索上位を狙いやすいことから、スモールキーワードを多く選定しておく方が効率的に集客できます。スモールキーワードは、以下4つのポイントから選定します。
ロングテールキーワード | 検索ボリュームの少ない、複数のキーワードからなる複合キーワード 例:「Tシャツ 白 無地 ブランド」 |
競合の少ないキーワード | 狙いたいキーワードにどの程度の競合がどれだけいるかを確認し、その中でも競合の少ないキーワードを選定 |
アクションが見込めるキーワード | より細かい検索ニーズを分析し、購入につながりやすいキーワードを選定 例:「財布 メンズ プレゼント」 「シャツ オフィスカジュアル おすすめ」 |
共起語 | 選定キーワードとよく一緒に検索されるキーワード 「ラッコキーワード」などのツールで確認」 |
大手競合サイトも多いEC市場では、いかにユーザーの細かい検索ニーズを分析し、キーワードとして選定するかがポイントです。
②タイトルにキーワードを入れる
タイトルは、検索でヒットした際にユーザーがサイトに流入するか否かを決定づける重要なポイントです。検索結果でECサイトがヒットしても、タイトルに魅力を感じない、タイトルからニーズに合っていないと判断されてしまうと、ECサイトに流入してもらえません。以下のポイントを押さえ、クリックしてもらいやすい、SEOの評価をあげやすいタイトルを設定しましょう。
・選定キーワードを含める
・「送料無料」「即日発送」「SALE中」「ブランド名」など重要なキーワードや訴求力のあるキーワードを前方に置く
ユーザーの立場になって、クリックしたくなるタイトルをつけることがポイントです。特に「送料無料」「期間限定」「SALE中」のような、お得感や限定感を感じさせるタイトルは効果的です。
③ニーズに沿ったディスクリプションの作成
ディスクリプションとは、検索結果画面のタイトル下に表示される文章です。サイト内容や商品説明を要約することで、サイト流入前にユーザーに概要を伝達することができます。メタディスクリプションを設置、設置しない場合はbody上部の文章が表示されます。メタディスクリプションでは、ユーザーが欲しい情報や知りたい情報、魅力を感じる文言を入れ込むことがポイントです。ディスクリプションは、300文字を目安に作成してみてください。
④コンテンツマーケティングを行う
コンテンツマーケティングは、ユーザーニーズに沿ったコンテンツからECサイトへの流入を増やし、コンバージョンにつなげる施策です。商品に関連するお悩み解決記事や使用例、レビューなどオリジナルのコンテンツを作成し、そこから流入を獲得します。たとえばお悩み解決系の記事では、ECサイトで販売している商品がユーザーの悩みを解決できるとして商品がアピールできます。つまりユーザーはコンテンツに流入することで悩みが解決できるだけでなく、解決の手段も提供してもらえるということです。
またレビューやよくある質問など、ユーザーが購入の上で判断材料とする役立つコンテンツを作ることもポイントです。コンテンツマーケティングを始める際には新規のドメインを作るのではなく、ECサイトと同じドメインを使用することがおすすめです。コンテンツ用のディレクトリを作成し、同じドメイン配下でコンテンツを運用しましょう。
⑤モバイルフレンドリーへの対応
ECサイトの多くは、スマートフォンから検索・閲覧されています。そのためスマートフォンで使いやすい・見やすい、モバイルフレンドリーなサイト作りが重要です。ボタンが押しにくい、文字サイズが小さいなどしてユーザビリティが低いECサイトは、SEO評価にも影響し検索順位が下がってしまいます。そのため現状のECサイトが使いやすい状態かを確認し、アクセス解析などの結果から都度改善していきましょう。ECサイトがモバイルに適している状態であるかは、Googleが提供する「モバイルフレンドリーテスト」で確認できます。
⑥表示速度(ページスピード)を改善する
検索してからページに流入するまでの表示速度は、SEOに影響をもたらします。ページ表示速度が1秒から3秒になると32%、6秒で106%、10秒で123%直帰率が増加するとのGoogleの調査結果もあります。表示速度の遅いECサイトは質が低いとみなされ、検索順位の低下につながります。ECサイトに流入したユーザーがストレスなくサイトを使用でき、購入モチベーションを損ねないようにするためにも表示速度の改善は必須です。
⑦ユーザビリティの高いサイト設計にする
ECサイトでは、ユーザビリティを重視したサイト設計が非常に重要です。直感的に商品を探せる構造や、スムーズな購買フローを実現することで、ユーザー満足度とコンバージョン率の向上が期待できます。
購入までの導線がわかりやすい、ユーザビリティの高いECサイトに設計することがポイントです。カートが常に表示されている、購入ボタンがわかりやすい、商品カテゴリページをすぐ開けるなどのUI/UXを工夫しましょう。
⑧画像情報を入れ込む
ECサイトは一般的なWebサイトよりも、画像が多い点が特徴です。そのためSEOを判断するクローラに、ECサイト内の画像情報を伝えることがポイントです。その際に設定すべきがalt属性です。alt属性では「何の画像か」「何を意味するか」を代替テキストでクローラに伝達できます。クローラが画像情報を読み取れようにすることでSEO効果はもちろん、画像検索での上位表示効果にも期待できます。
⑨重複コンテンツに気をつける
別々のURLで同じ内容のコンテンツがある場合は、オリジナルコンテンツにcanonicalタグを指定して正規化することがポイントです。たとえば複数のECサイトで出品している、同じ商品の色違いやサイズ違いを別ページで登録している場合などが該当します。
SEOに悪影響を及ぼす重複コンテンツは悪意がある場合のみであり、前述したような一般的なケースは特別問題ありません。しかしリスクを回避するという点で、なるべく重複コンテンツを作らないようにしましょう。
⑩SSL化する
ECサイトでは、ユーザーの個人情報や決済情報を扱うため、セキュリティ対策が非常に重要です。SSL化によるデータの暗号化は、ユーザーの安全性確保に不可欠な要素です。
また、SSL化はSEOにおいてもプラスの影響があると考えられています。安全性の高いサイトは、検索エンジンからの信頼度が高まる傾向にあります。
売れるECサイトを作るためには、SEOの観点だけでなく、ユーザー目線に立った総合的な対策が必要不可欠です。
⑪販売終了ページの対策をする
販売終了ページの対応も注意すべき重要なポイントです。販売終了した商品のページを適切に管理することは、ユーザー体験の向上とSEO評価の保持に直結します。
具体的な対策として、404エラーページの代わりに関連商品を紹介するページへリダイレクトする方法が挙げられます。これにより、訪問者に対して価値あるコンテンツを提供し続けることができ、サイト離脱率の低下や検索エンジンによる評価の低下を防ぐことが可能です。
⑫商品ページの最適化
商品ページは、ECサイトのSEOでとくに重要な要素です。商品名や説明文、見出しタグなどに、ターゲットキーワードを自然に盛り込むことが求められます。
商品名は、ページのタイトルタグに反映されるため、SEOにおいて非常に重要な要素です。キーワードを含めつつ、ユーザーの関心を惹きつける魅力的な商品名を設定しましょう。
メタディスクリプションにも、商品の特徴やメリットを簡潔に記載することが大切です。
また、オリジナルの商品説明文を用意し、写真や動画などの視覚的要素も活用しながら、魅力的なページを作成しましょう。
⑬カテゴリーページとブログ記事の活用
カテゴリーページは、関連する商品をまとめるハブページとして機能します。カテゴリー名にキーワードを含め、適切な説明文の設定が大切です。
また、ブログ記事を活用し、商品やカテゴリーに関連する有益な情報を発信できれば、SEO効果とユーザーエンゲージメントの向上が期待できます。
⑭内部リンク構造とサイトマップ作成
ECサイト内の内部リンク構造を最適化すると、重要なページに検索エンジンのクロールを誘導できます。カテゴリーページから商品ページへ、ブログ記事から関連商品ページへのリンクを設置するなど、適切にリンクを張ることが重要です。
また、サイトマップを作成し、検索エンジンにサイト構造を伝えることもSEO対策として有効でしょう。
⑮コンテンツの独自性を意識する
商品ページには、できる限りオリジナルのコンテンツを掲載しましょう。メーカー提供の画像や説明文をそのまま使うのではなく、自社らしい表現で商品の魅力を伝えることが大切です。
他サイトにはないユニークなコンテンツは、検索エンジンからも高く評価されるでしょう。
⑯自然な被リンクの獲得
質の高いサイトからの被リンクは、SEOにおいて非常に重要な要素です。ECサイトでは、商品ページへの自然なリンク獲得が理想的です。
情報提供型のコンテンツを発信し、他サイトからの自然な被リンクを増やせば、サイトの権威性を高められるでしょう。
⑰SNSの活用
SNSでの情報拡散は、ECサイトのSEOに好影響を与えます。商品ページのシェアボタンを設置し、ユーザーによる拡散が大切です。
また、自社アカウントから積極的に商品情報を発信すれば、ブランド認知度の向上とSEO効果が期待できます。
⑱インフルエンサーマーケティングの利用
インフルエンサーとのタイアップは、ECサイトのオフサイトSEO施策として注目されています。信頼性の高いインフルエンサーによる商品紹介は、ユーザーの購買意欲を高めるだけでなく、SEOにも好影響です。
インフルエンサーの発信力を活かし、自然な形でのリンク獲得やブランディングができます。
⑲商品検索機能の強化
ECサイトでは、ユーザーが目的の商品に素早くたどり着けるよう、検索機能の強化が欠かせません。キーワードの予測変換や絞り込み検索、関連商品の提示など、ユーザーの利便性を高める工夫が必要です。
また、検索結果ページのSEO最適化で、サイト内検索からの流入増加も見込めるでしょう。
ECサイトのSEOでは、これらの施策を効率良く組み合わせ、継続的にな実行が求められます。
なお株式会社ipeでは、全69項目のSEO攻略チェックリストツールを公開しています。300社のコンサルティングノウハウを基に作成された、確かなノウハウです。
ECサイトでの対策にも通じる、幅広いSEO対策に関する内容が含まれています。この機会にチェックリストをご覧になってはいかがでしょうか。
商品レビューとSEOの関係
商品レビューは、ECサイトにおいて重要な役割を果たします。ここでは、商品レビューとSEOの関係について詳しく解説します。
商品レビューがSEOに与える影響
ユーザーによる商品レビューは、SEOに大きな影響です。レビューが多い商品ページは、検索エンジンからの評価が高くなる傾向にあります。
また、レビュー内にキーワードが自然に含まれることで、関連性の高いページとして認識されやすくなるでしょう。
レビュー数とレビュー内容の重要性
SEOの観点からは、レビュー数が多いほど効果的です。一方で、レビュー内容の質も重要な要素です。詳細で具体的なレビューは、ユーザーの購買意欲を高めるだけでなく、検索エンジンからも高く評価されます。
レビュー数と内容のバランスを考えながら、質の高いレビューを増やす取り組みが求められます。
レビュー誘導施策の効果的な方法
商品レビューを増やすには、ユーザーにレビューを書いてもらうための施策が欠かせません。購入後のメールでのお願いや、レビュー投稿で特典を付与するなど、さまざまな手法が考えられます。
ただし、過度な誘導や報酬の提供は、レビューの信頼性を損なう恐れがあるため注意が必要です。自然な形でのレビュー誘導を心がけることが大切でしょう。
商品レビューは、ECサイトのSEOにおいて重要な要素の一つです。レビューの量と質を高めることで、検索順位の向上とユーザー満足度の向上が期待できます。
Googleマーチャントセンター(Google Merchant Center)について
Googleマーチャントセンター(Google Merchant Center)はGoogleショッピングタブを管理するツールです。自社ECサイトの商品情報を無料で検索結果上に表示させることができるため、ECサイトであればぜひ利用したいサービスと言えます。具体的なメリットは主に下記3点です。
②Googleのリスティング広告やショッピング広告に掲載できる(※一部無料)
③動的リマーケティング広告の配信ができる(※別途タグの設置が必要)
ツールの導入方法については下記記事で詳しく解説しているので興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
「Google Merchant Center」について詳しくはこちら
ECサイトのSEO対策事例
大手実績多数の株式会社ipe(アイプ)でも数多くのECサイトのSEO対策を実施してきました。実際の事例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Monbell(モンベル)|株式会社Montbell
モンベルアメリカのECサイトにおいて、SEO施策を実施しました。具体的には「USのGoogleに対する検索エンジンの最適化」「ユーザのアクセス解析」「リピート率を高めるためのUI/UXの改善」などを行っています。
スポーツオーソリティ|株式会社メガスポーツ
株式会社メガスポーツの大規模ECサイトにおけるSEO対策事例です。サイトリニューアルに伴い、検索順位の低下とオーガニック流入が激減し、早急な対応が必要でした。
テクニカル、コンテンツ両軸で進めた施策が奏功し、現在では継続的なECサイトの成長につながっています。
ECサイトのSEO対策で売上アップを目指そう
本記事では、ECサイトのSEO対策について、基本的な考え方から具体的な施策まで詳しく解説してきました。
ECサイトにおいてSEOは、集客とブランディングに直結する重要な取り組みです。ターゲットキーワードの選定や商品ページの最適化、オンサイト・オフサイトSEOの実践など、さまざまな角度からのアプローチが求められます。
また、商品レビューの活用や、ユーザー体験を重視したサイト設計など、SEOとユーザビリティの両立も欠かせません。ECサイトの売上アップのためには、SEOとユーザー目線の施策の継続が大切だといえるでしょう。
ただし、ECサイトのSEO対策は、専門的な知識と経験が必要とされる領域でもあります。自社だけですべてを実行するのは難しいと感じる方も多いかもしれません。
そのような場合は、SEOコンサルティングの専門企業であるipeに相談してみることをおすすめします。ipeは、EC業界に特化したSEOサポートを提供しており、これまで数多くのECサイトの売上アップに貢献してきました。
ipeの無料相談では、ECサイトの現状を診断し、具体的なSEO改善案を提示。専門スタッフによる丁寧なサポートにより、ECサイトのSEO課題を解決へと導きます。
ぜひ自社のECサイト改善に役立ててください。
SEOに関するご相談があれば、ぜひipe(アイプ)へご相談ください。