CX(Customer Experience)とは?重視される背景や向上させるメリット、注意点も解説!
CX(Customer Experience)とは、顧客体験のことです。顧客がある製品やサービスを使用する際の総合的な印象や感情、経験を指します。今回は「CX(Customer Experience)」に焦点を当て、その概要や重視される背景、向上させるメリット・手順・具体的な施策、注意点などをご紹介します。気になるポイントを一挙確認しましょう。
CXとは?
CX(Customer Experience)とは、顧客体験のことです。顧客がある製品やサービスを使用する際の総合的な印象や感情、経験を指します。製品自体の機能や性能だけでなく、購入前の過程や購入後のフォローアップなども含めた顧客へのアプローチがCXの対象です。
UXとの違い
UX(user experience)とは、ユーザーが製品やサービスを使用した際に受けた体験および感情のことです。
CX | UX | |
---|---|---|
対象範囲 | 製品やサービスを使用する際の総合的な印象や感情、経験 | 主に製品やサービスの使用者、特にデジタル製品やWebサイトのユーザー体験 |
アプローチ | 店舗での対応、Webサイトやアプリケーションの使用 | 主にデジタル製品やWebサイトの利用時におけるユーザーの直接的な経験 |
対象者の関係性 | 広範な顧客全体 | ある特定の製品やサービスを使用する個々のユーザー |
CXが重視される背景
ここでは、CXが重視されるようになった背景について2点解説します。
1.市場の飽和と競争激化
近年、多くの市場で製品やサービスの供給が飽和し、競争が激化しています。顧客は多くの選択肢を持っており、機能や値段だけではなく、顧客体験も製品やサービスを選択する上で重要な要素となっているのです。
2.インターネットやSNSの普及による消費者の行動変容
消費者の購買行動が時代とともに変化しています。具体的には、インターネットやSNS、スマートフォンの普及をきっかけに、時間や場所を問わず、多くの情報を収集・比較できるようになりました。それにより、顧客はより質の高い体験を求め始めているのです。
CXを向上させるメリット
ここでは、CXを向上させるメリットについて3点解説します。
1.LTVの向上
自社製品やサービスにおけるCXの向上は、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)の向上につながります。理由はCXが向上するほど、競合他社に対しての比較優位性が向上するからです。良好な顧客体験は顧客の忠誠度を高めます。顧客の忠誠度は、リピート購買の促進につながります。
2.宣伝効果
良好な顧客体験は、口コミやSNSなどを通じて広がり、企業のマーケティング活動にプラスの影響を与えます。顧客が主体的に良い経験を共有することで、広告効果が向上するでしょう。
3.新規顧客の獲得
広告効果の向上は、企業やブランドの評判を向上させます。新規顧客がWeb上でリサーチを行った際に初めて触れる自社製品やサービスの印象にプラスの影響を与えるでしょう。
CXを向上させる手順
ここでは、CXを向上させる手順について4つのポイントに分けて解説します。
1.顧客情報の見える化を図る
まず初めに、顧客のニーズを理解するために、顧客とのコミュニケーションや調査を行い、購買行動を3つのフェーズ(情報収集・購入・利用)に分けて見える化します。適切なアプローチ方法はフェーズごとに異なるので、それぞれの顧客行動と感情を分析しましょう。
なお顧客情報の見える化には、CRMツール(※)が有効です。積極的に活用しましょう。
【おすすめのCRMツール】
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※顧客情報や取引履歴などを一元管理し、顧客との良好な関係を構築するツール
2.KPIを設定する
次に、KPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。
【KPIの例】
指標 | 概要 |
---|---|
顧客満足度(CS) | 顧客が製品・サービスを利用してどのように感じたかを示す指標 |
ネットプロモータースコア(NPS) | 顧客推奨度という意味で、顧客ロイヤルティを数値化する指標 |
ライフタイムバリュー(LTV) | 1人または1社の顧客が、取引開始から終了までに企業にもたらす全体の利益 |
3.One to Oneマーケティングを行う
CXを向上させるには、顧客との関係構築が大切です。見える化した顧客情報をOne to Oneマーケティング(※)に活用しましょう。例えば、若者とのコミュニケーションをLINEなどのSNSで円滑化したり、消費者の購入履歴にもとづいた「おすすめ製品」「関連製品」を最適化したりする施策が挙げられます。
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※顧客1人1人に合わせたコミュニケーションを提供すること。顧客の特性に合わせて最適なアプローチを実施する
4.施策のPDCAサイクルを円滑化
顧客に個別のアプローチを実施した後は、施策の効果検証を行い、改善点を分析し、PDCAサイクル(※)を円滑に回しながらCX向上を図りましょう。
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※Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようとする概念。
CXを向上させる具体的な施策
ここでは、CXを向上させる具体的な施策について3点解説します。
1.メルマガ配信の実施
顧客に有益な情報をメルマガで定期的に配信することはCXの向上につながります。ポイントは、一方的に送りつけるのではなく、1人1人に適したタイミングと内容を送付することです。
なおメルマガ配信には、MAツール(※)を活用しましょう。配信内容の最適化に加えて、顧客の個人データを蓄積でき、施策の改善に役立ちます。
【おすすめのMAツール】
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※見込み顧客に対して、属性に合わせた最適なマーケティング施策を自動で実行できるツール
2.リターゲティング広告の出稿
ニーズの高い顧客に対して自社のリターゲティング広告を表示すれば、成約率を高める効果が期待できます。その結果、広告費の削減にもつながるでしょう。
3.チャットボットの設置
自社サイトの訪問者に対して問題解決などを図るチャットボットの設置も効果的です。顧客はSNS感覚で、簡単かつ的確な質疑応答を体験できます。スムーズに問題解決を図れるので、CXの向上に直結するでしょう。
CXを向上させる際の注意点
CXを向上させる際の注意点としては、提供する製品・サービスが「顧客目線」かどうかという点です。例えば、CXの向上を図り、アパレルショップでの積極的な声かけや案内などをしたとします。しかし、マイペースに店内を見たい顧客からは嫌悪感を抱かれてしまいました。この場合、「この店は店員がしつこいから、次回はもう来ない」と今後の来店を避けられてしまう可能性があります。
CXの向上には、顧客のニーズを正確に理解することが不可欠です。企業側が提供したいものと顧客のニーズにズレが生じると、逆にブランドイメージが悪化したり、顧客離れが起こったりするケースがあるので注意が必要です。
CXを意識して顧客ロイヤルティや売上の向上を図ろう!
このページでは、「CX(Customer Experience)」に焦点を当て、その概要や重視される背景、向上させるメリット・手順・具体的な施策、注意点などについて解説しました。
市場の飽和と競争激化、インターネットやSNSの普及による消費者の行動変容をきっかけとし、多くの市場やビジネスでCXが重視され始めました。顧客の行動や感情を分析し、顧客の期待に応えるCXを実現して、顧客ロイヤルティや売上の向上を図りましょう。
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