コンテンツマーケティングとは?事例や戦略、種類をわかりやすく解説
コンテンツマーケティングという言葉があるくらい、コンテンツは今やマーケティングの重要ツールになっています。多くの企業はユーザー(顧客、見込み客、消費者など)との接点を増やしたいと考えていると思いますが、コンテンツマーケティングに取り組むことでそれを実現できます。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングは、ターゲットユーザーに価値のあるコンテンツを提供し、そのコンテンツを通じてファンを増やし、最終的に商品やサービスの購入につなげる戦略です。この手法は短期的な成果ではなく、中長期的な収益を見込む点で他のマーケティング手法とは異なります。
適切なコンテンツを提供することで、ユーザーの疑問や関心に応え、信頼関係を築きながら、段階的に購買に導く支援型のコミュニケーションが特徴です。このアプローチは、情報が溢れる現代において、生活者を段階的にサポートする効果的な方法とされています。
コンテンツマーケティングで使用されるコンテンツには多様な形があり、Webページだけに留まらず、SNS、動画媒体、メールマガジン、ブログなどが含まれます。これらのコンテンツを通じて、ユーザーとの関係を構築し、最終的に商品・サービスの購入に結びつけることが、コンテンツマーケティングの目的です。
企業にとっては、これらのコンテンツが長期にわたるブランドロイヤルティを築き、消費者に価値を提供し続けることにより、継続的な収益を生む資産となります。
具体例からわかりやすく解説
例えば、ダイエット用のサプリメントを販売する会社であれば、コンテンツマーケティングの一環として「ダイエットを成功に導くためのお役立ちサイト」を立ちあげることができるでしょう。このようなサイトのことをオウンドメディアといいます。
オウンドメディアでダイエットに役立つSEO記事を発信することで、ターゲットを効率の良いダイエットに導くことができるでしょう。
この「ダイエットを成功に導くためのお役立ちサイト」には次のようなコンテンツを掲載することができます。
<発信するコンテンツ例>
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このようなコンテンツを発信することで、見込み客は「ダイエットに役立つ情報をたくさん提供してくれる素晴らしいメディアだ」と思うようになるでしょう。
さらにその連想で「信頼できるメディアを持つ会社が提供するサプリメントだから、きっと減量に役立つはずだ」と考えるようになれば、ダイエットサプリメントの購入につながる可能性があります。
コンテンツSEOとの違い
コンテンツSEOとは、検索ニーズと意図を把握しているコンテンツを充実させることを指します。それによって検索流入を稼ぐことが目的です。また、検索流入自体も1つの経路となるため、コンテンツマーケティングとセットで行われることも多くあります。検索エンジンのアルゴリズムの進化に伴い、良質なコンテンツが重視されるようになったことからこの概念が生まれました。
コンテンツマーケティングの種類
メリット | デメリット | コンテンツ提供方法 | |
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オウンドメディア | コンテンツを蓄積できる | 効果が出るまで時間がかかる | ブログ形式 |
動画 | 訴求力が高い | 制作コストが高い | 動画共有サイト 記事内の埋め込み |
メルマガ | 継続的な接点を持てる | 競合が多く埋もれる可能性が高い | メールソフトでの一括配信 |
ホワイトペーパー | 信頼性、権威ある形で訴求できる | 制作コスト、難易度が高い | PDFファイルなどのダウンロード |
コンテンツマーケティングには様々な種類があり、それぞれメリット、デメリットがあります。それぞれの内容について解説していきます。
コンテンツをストックしていけるオウンドメディア
オウンドメディアの最大の利点は、コンテンツを蓄積できる、ストック型コンテンツであることです。コンテンツが増えれば増えるほどサイトが充実し、検索エンジンからの評価も得やすくなります。一般的にSNSは情報がどんどん流れていくフロー型コンテンツで鮮度の高い情報や爆発力はあるがストックはされにくいのが欠点です。そのため、両者を併用し、オウンドメディアで作成したコンテンツをSNS等で拡散するやり方が一般的です。また、人力の手間はかかるが安価に立ち上げられる点もメリットです。
強い訴求力を持つ動画
動画はわかりやすく、見る人を惹きつけることができるので内容を伝える上で最適な手法です。近年では、スマホやカメラの普及、通信が高速化したことや、タブレットなどの媒体が一般化することで爆発的に普及してきています。動画単体でも十分に有効ですが、文章と組み合わせて動画で解説するなど、併用して掲載するとさらに効果的です。一般的に制作コストは高いのですが、訴求効果も高いのでうまく使っていくべきコンテンツです。
継続的な関係性を築けるメールマガジン
企業によるメールマガジン配信は広く浸透しており、顧客にとっては新情報を知るきっかけのひとつになります。また、配信者側からみても好きなタイミングで配信することができ、コストをかけずに多くの顧客をサイトに呼び込めるのが利点です。一度登録してもらえれば早々解約されることも少ないのですが、埋もれて読まれない可能性も高いという問題もあります。魅力的な内容、件名などで継続的に読んでもらえる状態を作れるかどうかがポイントです。
信頼性を高めるホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、自社の技術や商品を売り込む目的で、調査を行い、利点や長所を資料にまとめる方法のことを指します。調査に基づいているため、信頼性や権威付けのある資料として読んでもらえるという利点があります。また、その調査自体が価値あるものとして認知されれば、副次的に自社サービスが広まることにも繋がります。しかし、調査が必要なので制作コストが高く、専門的な内容にするために制作難易度も高い点がデメリットです。
他にも手法は限りなくある
<コンテンツマーケティングの「コンテンツ」の具体例>
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他にも次に挙げるようにSNSやランディングページ、書籍やセミナーなどコンテンツの具体例は様々あります。
SNSなどのネット上にアップロードするものだけではなく、書籍などのリアルな媒体やセミナーなどを通じたユーザーの体験自体も立派なコンテンツになり得ます。これらの様々な形式、媒体のコンテンツをうまく組み合わせることによって、ユーザーが求めているものに合致した最適なコンテンツマーケティングを実施していくことが必要になってきます。
コンテンツマーケティングを実施すべき理由
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現代は情報が溢れているため、消費者に認知してもらうためにコンテンツマーケティングを実施することが有効です。コンテンツマーケティングを実施すべき理由について解説します。
情報洪水による広告の限界
広告はいまだにマーケティングの重要ツールではありますが、あまりに広告が増えたため多くの消費者は広告疲れを起こしています。
特にインターネット上の広告では、バナーを「無視するもの」とみなしたり、メルマガを「すぐにゴミ箱に入れるもの」とみなしたりしている人がいるのは周知のとおりです。
消費者が広告に疲れるのは、企業が知ってもらいたい情報を一方的に売り込んでくるからです。
そこで、売り込まないPR手法であるコンテンツが有効になります。見込み客が知りたい情報をコンテンツに盛り込むことで、そのコンテンツを価値あるものとみなすようになります。そのような情報=コンテンツを提供する企業に好感を持たないはずがありません。
インターネット広告費が高騰している
近年、インターネット広告が一般化する中でインターネット広告の費用が上がってきています。それに対して、バナーを無視されるなど、ネット広告の価値が減少してきています。そのため、ネット広告の費用対効果が見合わなくなってしまっています。コンテンツマーケティングを実施することでコストをあまりかけずに、成果を出すことができます。
Googleの評価が「コンテンツの質重視」に変化した
良質なコンテンツを自社のWebサイトに掲載することはSEO対策になります。コンテンツを充実させたWebサイトはGoogle検索で上位表示される可能性が高くなります。
なぜならGoogleは、良質なコンテンツを掲載しているWebサイトを、ユーザーに有益なWebサイトとみなして優遇=上位表示するからです。
実はコンテンツマーケティングが活況を呈している背景には、Googleのこのコンテンツ重視策があります。Google検索で上位表示されるとビジネスを有利に進めることができます。
新たな消費行動「ZMOT」により、比較検討からの購入が増えた
インターネットとスマホの普及により、消費者は簡単に商品やサービスの情報を入手できるようになりました。そのため多くの消費者は、複数の商品・サービスを比較検討したうえで購入します。
さらにいうと、比較検討してからではないと買わなくなりました。
このような消費行動を、GoogleはZMOT(Zero Moment of Truth)と名付けました。
そこでコンテンツが効果を発揮します。
良質な情報が載っているコンテンツに愛着を持った消費者は、コンテンツを発信している企業を信頼するようになるので比較検討するときにその会社の商品・サービスを選ぶようになるでしょう。
趣味趣向が多様化する時代に突入した
消費者の趣味趣向は多様化しています。したがって企業は、多種多様な商品・サービスを開発して販売していかなければなりません。
このような状態のとき広告は不利です。なぜなら広告はマスや大衆を対象にしているので、どうしても訴求方法が単調になってしまうからです。
一方でコンテンツなら、特定の見込み客に向けた内容にすることができるので、「その人の購買意欲」を刺激することができます。
多種多様な時代には、多種多様な形で訴求できるコンテンツマーケティングが適しています。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングに取り組むと、次の6つのメリットを得ることができます。
1つずつみてきましょう。
コスト安に効果を出すことができる
コンテンツマーケティングは、予算が限られている企業でも気軽に始められます。
コンテンツマーケティングの基本は、オウンドメディアやブログ、YouTube、Instagramなどにコンテンツを投稿することです。これらは無料または格安で利用できます。
広告に比べると、コンテンツマーケティングは導入コストも運用コストも大幅に抑えることができます。
ユーザーとの接点を増やせる
コンテンツマーケティングは、コンテンツの配信チャネルを増やした分だけユーザーとの接点が増えていきます。
しかも客が客を呼ぶ現象も起きます。良質なコンテンツを発信できれば、ユーザーがそのコンテンツを自発的にほかの人に紹介してくれたり、多くの人に拡散してくれたりしてくれます。その結果、加速度的に見込み客を増やすことができます。
コンテンツは「資産」として残り続ける
コンテンツマーケティングには、広告にはない「蓄積効果」があります。一度つくったコンテンツは、削除しない限りプラットフォームに残り続けるからです。
情報を網羅するようにコンテンツを量産することで集客装置が増え、販促効果が加速度的に増大していきます。
さらに、作成したコンテンツを書籍や他の媒体に展開して再利用することも可能です。
SNSで拡散しやすい
コンテンツはSNSに載せやすい特徴があります。最も簡単な方法は、コンテンツが掲載されているページのURLをSNSの投稿に掲載することです。
SNSの拡散効果は、ときに広告のそれをはるかに上回ります。
SNSの拡散効果が高くなるのは、SNSユーザーに、面白いものをみつけたら誰かに教えずにはいられないという心理が働くからです。
ユーザーのロイヤリティを向上できる
例えばある業界に10社が属していて、そのうちの1社だけが素晴らしい内容のコンテンツを定期的に発信していたとします。このときこの業界の顧客は、その1社を信頼するでしょう。
なぜなら「業界内で唯一、良質のコンテンツを発信している→業界のことを最もよく知る会社に違いない→この会社なら最良の商品・サービスを提供できるはず」という連想が働くからです。
この印象はロイヤリティを高める効果を生みます。
クライアントのブランディングに繋がる
ロイヤリティが高まるとブランディングに有利に働きます。
企業が商品やサービスをブランド化できると、ビジネスが有利に進みます。またブランド化された商品・サービスは安売りしなくて済むので利益率も向上します。
ブランド化は、消費者や顧客に「価値がある」「イメージがよい」と認識してもらうことで実現します。
したがってコンテンツで顧客のロイヤリティを高めれば、「価値がある」「イメージがよい」という認識が強まると期待できるので、ブランディングにつながるわけです。
コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングには次のようなデメリットがあります。
ただしこれらは、デメリットというより克服すべき課題と考えたほうがよいかもしれません。その理由を解説します。
コスト回収までに時間がかかる
先ほど、コンテンツマーケティングは広告よりコスト安に進めることができる、と紹介しましたが、それでもコストはかかります。
そしてコンテンツの効果が出るまでに時間がかかることがあります。それはコスト回収にも時間がかかることを意味します。
継続的にコンテンツを作成していかなければならない
コスト回収に時間がかかるのは、良質なコンテンツを生み出すのに時間がかかるからです。良質なコンテンツさえできあがれば、あとはユーザーがSNSなどで拡散してくれるので、そこからは時間がかからずにPR効果が高まります。
良質なコンテンツをつくるには、継続的に作成していく必要があります。継続的に良質なコンテンツを発信している企業を、顧客たちは信頼します。
コンテンツを作成する人材が必要
良質なコンテンツを簡単につくることができるのは稀(まれ)です。拡散されるコンテンツをいくつもつくっている企業は、コストをかけてコンテンツをつくっています。
良質なコンテンツをつくろうとするときに最もお金がかかるのは人件費です。
コンテンツを構成する要素には、文章、画像、動画、イラスト、情報、エンタメなどがあり、いずれも生み出すのに才能やスキルやリサーチや長い取り組みが必要です。
例えば商品情報の記事を配信している企業なら、専属のライターを雇う必要があります。動画コンテンツをつくるなら、撮影できる人や構成ができる人、演者といった人材が必要になります。
これらは外注することもできますが、自社でしっかり管理していかないと、狙いとおりのコンテンツにならないので、やはり自社でコンテンツに詳しい人を確保する必要があります。
コンテンツマーケティングが向いているケース
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コンテンツマーケティングが向いているケースはいくつかあります。それぞれの具体的な内容について解説していきます。
カスタマーエデュケーションが必要
1つ目はカスタマーエデュケーションが必要な商品・サービスです。カスタマーエデュケーションとは専門的な知識が必要な商材、商品に対して、顧客が適切に意思決定をできるように、必要な情報を詳しく提供して支援することを言います。コンテンツを通じて、顧客の理解を深めていき、自社商品、サービスにコンバージョンすることができるので、価値ある情報を発信しようとするコンテンツマーケティングとの相性が非常に良いケースです。
購入サイクルが長い
2つ目が購入サイクルが長い商品・サービスです。車や不動産などの高額な商品を購入する際には一生の購入回数が限られるので、顧客も慎重に商品の内容を検討します。そのため、できる限り良質な情報を集めようとするので、そのニーズにコンテンツマーケティングが合致します。また、実際に商品を購入する場合にも、顧客が事前に情報を集めているので認識の齟齬が発生しづらく、クレームなどの発生を抑制することも可能になります。
ブランド認知度が重要
3つ目がブランド認知度を向上させたい場合です。ブランドの形成においては違う形で何度も顧客に認知してもらうことが非常に重要です。コンテンツマーケティングをすることによって様々な接点を用意しようとするため、非常に相性が良いです。また近年では広告出向による露骨なブランディングはユーザーから敬遠されることもあります。そのため、あくまでコンテンツありきで、結果的にブランディングを狙う点でもコンテンツマーケティングは効果的です。
コンテンツマーケティングの運用方法「4ステップ」とは
コンテンツマーケティングは次の4つのステップを1段ずつ進めていくと成功する確率が上がります。
【コンテンツマーケティングの運用方法「4ステップ」】
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それぞれのステップで何をするのかみてきましょう。
目標を設定する
コンテンツで見込み客の関心を集めて何を得たいのか――これがコンテンツマーケティングの目標になります。
目標には、「商品・サービスの知名度を上げる」「企業の知名度を上げる」「商品・サービスを多く買ってもらう」「ブランドイメージを高める」「Webサイトの閲覧数を増やす」「売上を伸ばす」といったものが候補になるでしょう。
コンテンツの内容は、目標から逆算して決めていきます。
ペルソナを立てる
ペルソナとは顧客像のことです。
新商品や新サービスを企画するとき、誰に使ってもらいたいか、誰が買うだろうかと考えると思います。その「誰」がペルソナです。
コンテンツのペルソナとは、コンテンツの消費者です。つまり誰に向けてコンテンツをつくっていくのか、を検討することになります。
コンテンツを設計・作成する
目標ができてペルソナが設定できれば、コンテンツの企画に入ります。
コンテンツマーケティングのコンテンツは、映画や漫画などとは異なり、消費者を喜ばせるだけでは足りず、購買意欲を高めるものにしなければなりません。
そのためコンテンツづくりではまず設計する必要があります。
設計では消費者をどのように楽しませ、どのように商品・サービスのPRを盛り込むのか、といったことを考えます。
設計ができたら作成に入ります。担当者が自分の才能を存分に発揮して、映画や漫画などをつくるように、「お客さんを楽しませる」という気持ちでつくっていきます。
効果測定を行う
コンテンツを作成したらWebサイトやSNSなどで発信するわけですが、発信しっぱなしにならないようにしましょう。
コンテンツの反響を調べる効果測定が必要です。効果が出ていればその要素を次回作に踏襲し、効果が出ていなかったら欠点を探して次回作で改善します。
コンテンツマーケティングはPDCAで回していくことになります。
なお、何をもってコンテンツの効果があったとするかは、企業によって異なります。効果測定の指標には、検索順位、PV数、ユーザーのサイト滞在時間、SNSシェア数など、それぞれの重要業績評価指標(KPI)によって異なります。
そして効果測定ツールにはGoogleアナリティクスやサーチコンソールなどがありますので積極的に活用していきましょう。
高品質なコンテンツを作るためのポイント
コンテンツマーケティングで成果を得るには、次の6つのポイントを押さえておいたほうがよいでしょう。
【コンテンツマーケティングを行う際のポイント】
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コンテンツ作成に関わる人材を確保する
安定して運営を続けるために「コンテンツ作成にかかわる人材の確保」が必要不可欠です。具体的には、プロデューサー、ディレクター、ライター、デザイナー、エンジニアなどの人材が必要です。
社内人材を活用したり、新しく人を雇ったりして、必要な担当者を確保しましょう。部分的に外部に委託するという手段もあります。
人材確保を行うために、まず前段階として「予算とコンテンツ作成の目標」を明確にしましょう。予算内で実現可能なコンテンツ作成計画を立てることで、人材確保における予算の割り振りを決めることができます。
適切な「検索キーワード」を選定する
コンテンツマーケティングにおいて、キーワードの選定は重要な要素の一つです。ターゲットが、どのような課題・悩み・ニーズを抱えていて、どのようなキーワードで検索をするのかを見極めることが大切です。
自社のフェーズに合わせて、最適なボリュームのキーワードを選定しましょう。
コンテンツマーケティングを始めてすぐの場合、最初から検索ボリュームが大きく競争の激しいキーワードで検索上位表示を目指すのは困難です。最初は検索ボリュームが少ないキーワードで良質なコンテンツを蓄積させ、段階的に検索ボリュームが大きいキーワードを狙っていきましょう。
カスタマージャーニーマップを作る
ペルソナが、商品やサービスを認知してから購入に至るまでの一連の流れを想定した「カスタマージャーニーマップ」を作りましょう。
カスタマージャーニーマップを作ることで、ペルソナのフェーズごとにどのようなコンテンツを届けるのかが明確になります。コンテンツ発信後に行う効果測定の精度が高まる点でもおすすめです。
段階に応じた目標を立て、効果測定を行う
カスタマージャーニーマップを作成したら、カスタマージャーニーの各段階(「認知」「興味」「検討」「購入」)に応じた目標を立てましょう。
コンテンツマーケティングの最終的な目標と合わせて、KGI・KPIの設定をしておくことで、目標達成への道筋がみえるようになります。
「KGI(Key Goal Indicator)」とは: 和訳は経営目標達成指標。経営戦略やビジネス戦略の達成度合いをチェックするために設置する評価基準。受注数、売上高、利益などがKGIになりうる。 |
「KPI(Key Performance Indicator)」とは: 和訳は重要業績評価指標。目標の達成度合いをチェックするために設置する業績の評価基準。KPIは組織が自由に設定できる。例えばECサイトの売上を伸ばすという目標を設定すれば、ECサイトの訪問者数や閲覧者の滞在時間がKPIになる。 |
商品購入後の顧客もターゲットに想定する
コンテンツマーケティングは、買う以前の顧客だけではなく、購入後の顧客に対しても行えます。つまり、カスタマーサポートやカスタマーサクセスの一環としても行えるということを意味します。具体的には商品の活用ガイドや実際の活用事例を提供することで、より深くその商品を利用してもらえることに繋がります。また、顧客の疑問を解消するポイントを用意することで、その顧客の愛着形成も同時に行うことができます。結果的により良い口コミに繋がっていき、レビューやSNSでの拡散にもつながるため自社商品の新規顧客の獲得に効果があります。
あくまで顧客目線のコンテンツ設計を行う
コンテンツマーケティングでは顧客目線のコンテンツ設計を行い、顧客を満足させるコンテンツを作ることが第一です。その結果として、自社商品の売り上げがよくなり、利益に繋がってくれればよい、という順番で考えることが必要です。この順番が逆になってしまうと、自社都合ありきの有用ではないコンテンツに陥ってしまいます。そうすると、顧客の満足度向上に繋がらず、デブランディングにつながってしまう恐れもあります。また、実際に顧客が何を求めているのか、反応を正しく把握することも忘れないようにすることがコンテンツ作成において重要です。
コンテンツマーケティングの広げ方
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コンテンツマーケティングを広げるにはメディアの違いを認識して経路を整えることが必要です。マーケティングの広げ方について解説します。
トリプルメディアの違いを意識する
オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアの3つを言います。オウンドメディアは、企業が自ら管理・運営するメディアで、自社管理のためコンテンツを自由に発信できます。2つ目のペイドメディアは費用を払ってコンテンツを露出させるメディア全般のことで、例えばマス媒体への掲載や、各種Web広告やイベントのスポンサーシップなどがあります。費用が発生する分、多くの顧客に届けやすいという利点があります。最後のアーンドメディアは、企業側がコントロールできない、SNSやクチコミ、第三者のブログなどです。第三者発信なので客観性があります。3つのメディアの露出を意識して組み合わせることで相乗効果を産み出せます。
流入経路を整える
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ユーザーの流入経路には主に次の7つのポイントがあります。自然検索流入は、検索サイトからの流入で、SEO対策をして、検索エンジンで上位に表示されるようにすることが大切です。広告やSNS、外部サイトからの流入を上げるには広告に予算をかけて、パートナーシップや相互リンクを作成するなどの対策が有効です。全ての経路に対応できればもちろん最もよいのですが、リソースとの兼ね合いを考えるべきです。リソースは限られるので、自社のコンテンツと相性の良い経路を考えて、注力することがおすすめです。
マーケティングオートメーションを活用する
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マーケティングオートメーション(MA)とは、見込み客の情報を管理し、マーケティング活動を自動化するツールです。具体的には、以下のような機能があります。
ウェブサイト上の見込み客の行動や反応をトラッキングして記録し、購買意欲に合わせたシナリオ設定を行います。さらにデータ収集、分析や自動メール配信によって効果的にコンテンツを提供することができます。MAを活用することで、施策のPDCAがスムーズに回せるようになります。多機能なため使いこなすには手間がかかりますが、施策の精度向上のために取り入れたいツールです。
インサイドセールスと連携する
インサイドセールスでは、見込み客に対して、電話やメールでニーズをヒアリングを行います。顧客が望まない限り、商品を売り込まない点が、従来のテレアポとは異なります。このインサイドセールスの活動に必要なのがコンテンツです。魅力的なコンテンツがあることでより商品の訴求力が上がります。潜在顧客の情報ニーズに応じたコンテンツマーケティングを用意し、それをインサイドセールスで的確に届けることで効果が高まります。
コンテンツマーケティングを成果につなげる戦略の流れ
前提:近年増えているオウンドメディアの失敗事例
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コンテンツマーケティングは戦略的に行うことでより成果を上げることが出来ます。成果につながる戦略の流れについて解説します。
前提:近年増えているオウンドメディアの失敗事例
最近、オウンドメディアでアクセスは増えたが、リード獲得や問合せにつながっていないケースが増加しています。原因として考えられるのが、流入したユーザーに次のアクションを取らせる仕組みが設置されていないことです。ここで意識したいのが、メディアを作ることやPVを稼ぐことが目的ではなく、本来の目的は別にあるはずです。それを実現するためにも、成果につながる戦略をきちんと立てて、その上でコンテンツマーケティングを実施していく必要があります。
①認知の獲得:オウンドメディアでPVを集める
顧客からの認知を獲得するには最初に自社メディア上で、見込み顧客が興味を持ちうる記事を作成・公開することが必要です。それによって、サイトのPV(ページの閲覧)数を集め、認知の母数を増やしておくことが大事になってきます。認知数が増えていくと、その上で行う施策結果の信憑性が増していくので、PDCAが回しやすくなります。そのため、まずPV数を増やすためにも、コンテンツを充実させて、広告やSNSなどで認知を促していくことが重要です。
②興味関心を高める:オウンドメディアからより深いコンテンツに誘導する
興味関心を高めるために、オウンドメディアの記事を見た顧客に、そのテーマをより深く掘り下げるコンテンツに参加してもらうことが効果的です。例えば、他の形式のコンテンツやセミナーへの申し込みなどを案内するなどの方法があります。同じテーマでも様々なコンテンツに触れることによって、顧客の興味関心がさらに高まっていきます。そのためにも、オウンドメディアだけではなく、多方面にコンテンツを広げておく必要があります。
③CVにつなげる:興味関心が高まった潜在顧客をフォローする
CVにつなげるためには興味関心が高まった顧客に電話・メールなどでアプローチを行っていく方法が有効です。その際に、ニーズをヒアリングし、ニーズを顕在化させるためのインサイドセールス体制があるとなお良いと考えられます。事前にユーザーにコンテンツを確認してもらっているので、基本的に顧客の理解や熱量は高い状態にあります。そこで、より細かな疑問を解消したり、感情の整理などを手伝うことで、CVにつなげることができる用になります。
コンテンツマーケティングの運用に必須!3種類の効果測定ツール
コンテンツマーケティングに取り組んだら、その効果を測定しましょう。効果を測ることで費用対効果が見える化します。
効果測定には次の3つのツールが有効です。
<コンテンツマーケティングの運用に必須!3種類の効果測定ツール>
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それぞれのツールの特徴を紹介します。
ユーザーのアクセス状況を解析できる「Google アナリティクス」
Googleアナリティクスとは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。Googleアナリティクスを利用すると、訪問ユーザーの属性や流入元、流入キーワード、閲覧ページなどを把握することができます。
集計データをもとに、頻繁に訪問するユーザー層に向けてコンテンツを作成したり、対策できていない流入経路を洗い出したり、コンバージョンにつながりやすいキーワードを選定したりすることができます。
頻出検索キーワードを分析できる「Google サーチコンソール」
Googleサーチコンソールは、Googleが提供する無料のインターネット検索の分析ツールです。検索キーワードの表示回数や検索順位の推移、クリック数、クリック率などを確認できます。
Googleアナリティクスがサイトアクセス後のデータを分析できるのに対し、Googleサーチコンソールは、サイトアクセス前のデータを分析できるものです。
Google サーチコンソールで、頻繁に検索されているキーワードを分析することで検索流入を増やすための対策が立てられます。
多くの企業が導入容易なツール「CMS」
CMS/Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、管理画面から容易にWebサイトの構築やコンテンツの追加・更新ができるシステムのことです。
Webサイトの運営が楽になるため、多くの企業がコンテンツマーケティングにCMSを導入しています。世界中で最も利用されているCMSは「WordPress」です。
株式会社ipeのコンテンツマーケティング成功事例
当社株式会社ipeが顧客企業様向けに行ったコンテンツマーケティングのうち、高い効果をあげた事例を紹介します。
株式会社SMS様
株式会社SMS様は、支援当初「オーガニック経由の流入が少ない」という課題を抱えていました。
この課題に対し、ipeではサイトの抜本的な見直しを始めとしたとした様々な施策を実施させていただきました。
結果として、競争性の高いビッグBIGワードの中でも最も検索数の多いワードで「検索表示1位」を獲得することができました。
ipeは企業様のコンテンツづくりやコンテンツマーケティングをサポートしています。
「良質なコンテンツで見込み客を引き寄せたい」と考えましたら、ipeのSEO無料診断をぜひお試しください。
コンテンツマーケティングの今後
デジタルマーケティングの中でも重要な戦略の一つなので、今後もさらなる進化と成長が期待されています。これまでの流れと今後の展望について解説します。
コンテンツマーケティングの流れ
コンテンツマーケティング1.0は、雑誌等のオールドメディアを通して、顧客に有用な情報を伝え、関係性を高めていきました。一方で、2.0では、Webサイトが公開され、検索エンジンなどが発展し企業がWeb上で積極的に情報を発信するようになっています。さらに、3.0では、単に情報を発信するだけでなく、SNSなどを駆使したプロモーションを求められるようになりました。そして、現在ではメーカーがその分野のメディアを買収したり、あるいは専門メディアがメーカーとなって商品を販売したり、メーカーとメディアの垣根が無くなってきています。また、商品を作ってから客を集めるのではなく、客を集めてから商品を作るという顧客ファーストの時代も予見されています。
コンテンツマーケティングを勉強するための情報源
コンテンツマーケティングを勉強するための情報源について解説します。1つ目がContent Marketing Insituteです。こちらのサイトは米国のコンテンツマーケティング業界のトップランナーのブログであり、コンテンツマーケティング関連の記事が豊富にそろっていて、ほぼ毎日記事が追加されています。常に最新の情報をアップデートしていきたい方におすすめです。2つ目がCONTENT MARKETING LAB(コンテンツマーケティングラボ)です。このサイトは2012年に開設され、コンテンツマーケティング関係の記事が月に1~2本配信されています。カテゴリは「入門編」「応用編」「事例編」「技術編」と分かれています。自分の段階にあわせて記事を選ぶことが簡単にできるので初級者から上級者までおすすめすることができます。
株式会社ipeのコンテンツマーケティングのセミナー
株式会社ipeではコンテンツマーケティングに関するセミナーを定期的に実施しています。また、コンテンツマーケティングに限らず、マーケティング全般やSEOに関する情報まで幅広くカバーして発信しているので、専門的な知識やスキルを身に付けたい方や、これから勉強していきたという方にもおすすめです。セミナーはウェブ上で基本的に参加費は無料で開催しているので、どなたでも参加することが可能です。まずは無料のセミナーで勉強していただき、興味をもった分野について理解を深めていくことがおすすめです。今後はAIを用いたコンテンツ作成やSEOコンサルティングなどのセミナーを予定しているので、ご興味のある方はぜひ参加してみてください。
テーマ | コンテンツマーケ―タ―必見!役立つChatGPT汎用プロンプトを紹介! | SEOコンサルティングってどんなサービス?株式会社ipeのサービス紹介ウェビナー | AI作成コンテンツをSEO記事に活用するには?メリット・デメリットや注意点を解説 |
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開催日 | 2023年8月3日(木) | 2023年8月22日(火) | 2023年8月24日(木) |
時間 | 14:00~14:30(15分前より入室可能) | 14:00~14:30(15分前より入室可能) | 14:00~14:30(15分前より入室可能) |
登壇者 | 水越貫太 | 梅津孝介 | 古川颯一郎 |
こんな人におすすめ | ・ChatGPTで何ができるのか知りたい方 ・ChatGPTをコンテンツで有効活用する方法を知りたい方 ・コンテンツマーケティングで使えるプロンプトをまとめて知りたい方 |
・SEOの外注業者を比較したい方 ・SEOコンサルティングってどんなサービスか知りたい方 ・ipeについて知りたい方 |
・AI作成コンテンツのメリット・デメリットについて知りたい方 ・コンテンツ作成にAIを活用されたい方 ・今後、コンテンツ作成に注力していきたい方 |
コンテンツマーケティングに関するよくある質問
コンテンツ制作はプロに外注したほうが良いですか?
単にコンテンツを制作するだけなら簡単ですが、その上位概念の戦略や設計を行うことは困難な場合もあります。また高品質なコンテンツを作るにもノウハウが必要です。さらに、継続的な取り組みになるため、プロの助けがあると、大きく間違えるリスクが少ないです。
B2B企業における効果測定のポイントはありますか?
一般的にB2Bの商材は、B2Cの商材にくらべて購入サイクルが長い特徴があります。そのため、顧客の検討フェーズに寄り添ったアプローチができているかが重要になります。更に各フェーズに対して次のフェーズに進んでもらえるような仕掛けを用意することが大切です。
B2C企業における効果測定のポイントはありますか?
B2Cの低額の商品やサービスは、購入に至るまでのステップが短い事が多いです。また、重要なのは検索エンジンでの表示順位、競合他社との比較など、シンプルなものです。ただし、住宅や自動車など大きな商材は、考え方がB2Bモデルに近くなるという特徴があります。
コンテンツマーケティングは戦略的に進めましょう
多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組むのは訴求力が強いからです。
これまでは企業が訴求力を高める場合、多くは広告に頼っていたはずです。しかしインターネットとSNSとスマホの普及によって、人々の生活のいたるところに広告があふれるようになり、広告疲れという現象を生んでしまいました。
そこでコンテンツが登場しました。
コンテンツは消費者や顧客に有益な情報を提供したり、楽しませたりする目的で作成するので、好感してもらえます。
好感は商品やサービスの販売増につながります。
コンテンツマーケティングを始めたいが何から始めたらよいのかわからない、という企業の担当者は、ぜひipeのSEO無料診断を利用してみてください。
そして、コンテンツマーケティングに取り組んでいるが効果が実感できない担当者も、私たちに相談してください。
ipeはコンテンツマーケティングの「解」を持っています。
SEOに関するご相談があれば、ぜひipe(アイプ)へご相談ください。
この記事の著者
監修者 大崎 彩乃
アパレル会社を経て株式会社ipeへジョイン。クリエイティブデザイン部コンテンツグループのマネージャーとして、主にコンテンツディレクターの育成を担当しており、過去クライアントワークでは、年商600億を超える大手スポーツ用品店のサイトのコンテンツ制作を担当。 Strategyでは戦略設計・効果測定を担当し、そこから得たナレッジをウェビナーや社内勉強会で共有している。