JPEGとは?PNGやGIF、PDFとの違いや変換ツールなど紹介!
JPEGとは、「Joint Photographic Experts Group」の略称で、非可逆圧縮方式の静止画像データフォーマットの一種です。 今回はJPEGに焦点を当て、その概要や特徴、メリット・デメリット、画像変換ツールなどをご紹介します。気になるポイントを一挙確認してしまいましょう。
JPEGとは?
JPEGとは、静止画像で用いられるデータ圧縮形式の一種で、読み方は「ジェイペグ」です。規格を策定した国際標準化機構、国際電気通信連合、国際電気標準会議による合同グループの名称「Joint Photographic Experts Group」が名前の由来になっています。
策定した規格は1992年から標準化されており、日本では1995年に国内で規格化されました。画像の一部における不可逆的な画質の低下などを許す代わりに、容量を圧縮(非可逆圧縮)するのが特徴です。一見すると違いがないように見えるレベルで画質を低下させることで、画像データをサイズダウンし、小さく圧縮したものがJPEGです。一般的に画質の低下率が上がるほど圧縮率を高められるため、保存時にユーザーが画質の程度を指定することができます。
【JPEGの基礎情報】
MIME タイプ | image/jpeg |
---|---|
ファイル拡張子 | .jpg/.jpeg |
仕様書 | ・http://www.martinreddy.net/gfx/2d/JPEG.txt ・http://www.faqs.org/faqs/jpeg-faq/ |
JEPGが生まれた理由
写真を始めとした画像を電子データで共有する場合、受け取り側で画像を表示するためには共通の圧縮方式が必要となったのがJPEG誕生のきっかけと言われています。
JPEGの誕生以前は、主流の形式は可逆圧縮のGIFと非圧縮のBMPでした。GIFは「軽くて容量が小さい一方で、色数が少なすぎる」、BMPは「高画質の一方で、容量が大きすぎる」という問題がそれぞれありました。また、高い圧縮率で画像をサイズダウンするには、従来の可逆圧縮では現状に対応するのが難しかったため、非可逆圧縮であるJPEGが採用されるようになりました。
JPEGとJPGの違い
基本的に、JPEGとJPGは同じものとして考えて差し支えありません。
「.jpeg」と「.jpg」という2種類の拡張子が存在する理由は、MS-DOS(マイクロソフトが開発・販売していた、パーソナルコンピュータ向けのオペレーティングシステム)時代の制約の名残です。
MS-DOSでは、ファイル拡張子が3文字までという制約があったため、当時はJPGが使用されていました。
しかし、現在普及している主要OS(WindowsやMac)では、拡張子3文字制限はありません。
そのため、JPEGとJPGのどちらも使用することができます。
また、2つに機能面の違いはありません。
それでは、どちらが主流として使われているのでしょうか。両者は拡張子の文字数のみで機能に違いはありませんが、現在、主流となっているのはJPGとなっています。そのため、どちらを使うか迷った時には一般的に使われるJPGを選ぶと良いでしょう。
JPEGのブラウザの対応状況
以下は2022年2月現在、JPEGに対応しているブラウザです。
【参考|JPEG XR image format】
【参考|JPEG XL image format】
JPEGの特徴・メリット
ここでは、JPEGの4つのメリットについて解説します。
フルカラー(約1677万色)に対応できる
JPEGは、フルカラー(約1677万色)に対応しているため、高画質かつ鮮明な画像表現が可能です。
そのため、細かい色彩表現を必要とする人物写真や風景写真などを表現する場合におすすめの画像形式と言えるでしょう。
高画質かつ小さい容量でファイル圧縮できる
JPEGは、高画質のままファイルを圧縮できるだけでなく、小さい容量で画像を保存できます。
別の画像ファイル形式PNGより、ファイル容量を小さくできるため、JPEGは大量に画像データを保存したい場合に適した画像形式です。
また画像のファイル容量が軽いとサーバーへのデータ転送量が少なく済むため、Webページの表示速度が速くなります。
Webページの表示速度が速いということは、それだけユーザーストレスが少なくなり、SEOの観点から見てもプラス要因になります。
もしWebサイトで画像を使用する際、SEOを優先するのであればJPEGを使用しましょう。
汎用性が高い
JPEG形式の画像は、PCやスマートフォン、タブレット、デジタルカメラなどデバイスを問わずに扱うことができます。
また、ほとんどの画像編集ソフトに対応しているため、画像編集がしやすい点も大きなメリットです。
グラデーション表現に適している
JPEGは色の変化が多く、輪郭のはっきりしないグラデーションの表現に向いています。例えば、色が複雑に変化する写真もJPEGでは綺麗に再現することができます。一方で、色の変化が少ない輪郭がくっきりとしたシンプルな表現はぼけやすく、サイズが大きくなってしまうというデメリットがあります。
JPEGのデメリット
ここでは、JPEGのデメリットについて3点解説します。
一度圧縮した画像は元に戻せない
JPEGは、非可逆圧縮方式の画像形式のため、ファイルサイズを圧縮する際、肉眼では判別できないような細かいデータまで削除します。
そのため、一度圧縮した画像データは、原画に戻すことができません。
なお、JPEG以外の画像形式PNGやGIFは、圧縮後も原画に戻せる可逆圧縮方式の画像形式です。
画像編集を頻繁に行う場合は、PNGやGIFを使用しましょう。
圧縮する度に画質が劣化する
JPEGは、画像ファイルを圧縮する度に、画質が劣化します。
圧縮が1回だけであれば、高画質を維持できますが、リサイズ保存や上書き保存を繰り返すと画像が劣化します。
また、劣化にともない、白飛びや黒潰れ、ホワイトバランスの調整幅が狭いなどが起きる場合もあるため注意が必要です。
背景浸透できない
JPEGは、背景を浸透させることができません。
そのため、背景の不要な部分をカットできないだけでなく、簡易的なグラデーション表現にも不向きです。
背景を浸透させたい場合は、PNGやGIFへのファイル変換を検討しましょう。
JPEGとPNG、GIF、BMP、TIFF、WebPの違い
JPEGと似たような画像形式にPNGやGIF、BMP、TIFF、WebPがあります。
似ている画像形式が複数ある場合、どれを使用したら良いか迷いますよね。
ここでは、それぞれの違いについて比較します。
PNG | JPEG | GIF | BMP | TIFF | WebP | |
---|---|---|---|---|---|---|
表現可能色数 | フルカラー(約1677万色) | フルカラー(約1677万色) | 256色まで | フルカラー(約1677万色) | フルカラー(約1677万色) | フルカラー(約1677万色) |
圧縮形式 | 可逆 | 非可逆 | 可逆 | 非圧縮 | 可逆 | 非可逆 (可逆圧縮にも対応) |
透過処理 | ◯ | × | ◯ | × | ◯ | ◯ |
アニメーション対応 | × | × | ◯ | × | × | ◯ |
ファイル容量 | ファイルサイズが重くなりやすい | ファイルサイズを小さく調整できる | ファイルサイズが比較的軽い | 大きい | 大きい | 小さく調整できる |
適している画像 | 文字や図が含まれる画像など修正が複数回要する画像向き | 細かい色彩を表現したい画像・写真向き | アニメーションを用いた動的画像向き | 高解像度が必要な画像 | 高解像度が必要な印刷物 | Webサイト用の画像 |
PNGとの違い
PNGは「Portable Network Graphics」の略で「ピング」や「ピン」と呼ばれています。フルカラーに対応しているところはJPEGと同様ですが、PNGは圧縮前のデータを復元することができ、透過処理もできるところがJPEGとの違いです。しかし、JPEGと比べてデータ容量が大きくなりやすく、Webページでの表示速度が遅くなる場合があるという点がデメリットです。また、比較的新しい形式のため、古いバージョンのブラウザでは表示されないことがあります。そのため、繰り返し加工が必要な画像や、JPEGではノイズが出やすいロゴやイラストに適しています。
GIFとの違い
GIFは「Graphics Interchange Format」の略で「ジフ」と呼ばれています。GIFは圧縮した画像を元に戻すことができ、透過処理も可能なのがJPEGとの違いです。また、1つのファイルに複数の画像を含めることでアニメーションを作れるのもGIFの特徴です。しかし、JPEGと比べて表現可能な色の数は少ないので、写真データで使うと再現性が落ちてしまう点がデメリットです。JPEGのようにノイズが出にくいため、単色系のシンプルなイラストやロゴに向いている形式です。
BMPとの違い
BMPは「Microsoft Windows Bitmap Image」の略で「ビーエムピー」や「ビットマップ」と呼ばれます。高解像度の画像で使用すると容量が大きくなりますが、編集と保存を繰り返しても画質が劣化しないところがJPEGとの違いです。しかし、容量が大きくなりやすいのでWebサイトには向いていないというデメリットがあります。そのため、画像編集の中間フォーマットとして活用することがおすすめです。
TIFFとの違い
TIFFは「Tagged Image File Format」の略で「ティフ」と呼ばれます。TIFFはBMPと同様に、容量が大きい一方で、圧縮による画像の劣化を来さないところがJPEGとの違いです。しかし、Web非対応で、Webページでは表示することができません。そのため、印刷物で用いるのに適している方式です。
WebPとの違い
WebPは、Googleが開発した静止画像ファイル形式で「ウェッピー」と呼ばれます。WebPは非可逆圧縮だけでなく、可逆圧縮に対応しているところがJPEGとの違いです。そのため、JPEGよりも圧縮率が高く、ファイルを軽量化することができます。そのため、Webサイトでの画像表示速度を改善したい時に役立ちます。
JPEGとPDFの違い
PDFとは、文章や画像などを忠実に再現するためにアドビシステムズ社が開発したファイル形式です。「Portable Document Format」の略で「ピーディーエフ」と呼ばれます。
JPEGなどの画像データは、OSやソフトウェア、ハードウェアによっては閲覧できないことがある一方で、PDFは専用リーダーがあれば環境を問わず表示することができます。
ただし、加工や編集には有償の専用ソフトが必要であることに注意が必要です。PDFは文字の再現性が高いため、文章データの保存や印刷用の入稿データに適している形式です。
JPEGファイルへの変換ツール
ここではJPEGファイルの作成ツールについて解説します。
JPEGファイルへの変換は、Advanced Batch Image ConverterrやXnConvertなどの画像編集ソフトがおすすめです。
Advanced Batch Image Converter
Advanced Batch Image Converterは、多彩なファイル形式(JPEG/GIF/PNG/WebP/BMPなど)に一括変換できる無料画像変換ソフトです。
ただし、画像変換以外の編集や加工は、基本的にできないため、もし画像を編集したい方は、次で紹介するXnConvertを使用しましょう。
【Advanced Batch Image Converterを使用するメリット】
・ファイル変換の速度が速い(数秒)
・出力画像の品質/圧縮率を設定する機能やPSNR/SSIMを算出する機能がある
【公式サイト:Advanced Batch Image Converter】
XnConvert
XnConvertは、複数の画像ファイルを一括変換できる無料画像変換ソフトです。
リサイズや回転、コントラスト調整、透かしの追加など多数の機能を備えており、それら全てを一括処理できます。
【XnConvertを使用するメリット】
・MacもWindowsもLinuxなど様々なOSに対応
・複数画像の一括変換が可能
【公式サイト:XnConvert】
JPEGに関するQ&A
JPEGに関するよくある質問について解説していきます。ご自身の疑問が解決できるかもしれないので是非ご覧になってください。
スマホでJPEGに変換する方法は?
【iPhoneの場合】
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以上の設定で撮影した写真はJPEGで保存されるようになります。
【Androidの場合】
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JPEGをPDFに変更する方法は?
変換ソフト「Adobe Acrobat」を使うと、JPEGをPDFに変更することができます。また、「smallPDF」や「iLovePDF」といったWebサイト上の変換ツールでも変更することが可能です。
JPEGを圧縮する方法は?
「JPEG圧縮」や「Squoosh」といった外部ツールでJPEGを圧縮することが可能です。また、パソコンに搭載された画像編集ソフト(フォトやペイントなど)でサイズを変更し、圧縮することもできます。
JPEGの画質・解像度を上げる方法は?
画像編集ツール「Photoshop」を使って画質・解像度を上げる方法があります。
【具体的な方法】
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上記のやり方で画質、解像度を上げることができます。
SEOに効果的な画像形式は?
JPEGは、多くのサイトで使用されていますが、SEO対策をしている方は「AVIF形式」がおすすめです。
AVIFは、JPEGやPNG、GIFと同様の品質でありながら、ファイルサイズが非常に軽いです。
SEOでは、画像のファイルサイズが重いと、ページの読み込み速度が遅くなるため、評価がマイナスになります。
また、ファイルサイズが軽くても低品質だとユーザビリティが悪くなり、SEOにとってマイナスです。
そのため、ファイルサイズが軽く高品質なAVIFのような画像形式が好まれます。
気になる方は、以下の記事をご覧ください。
JPEGで画像を圧縮し、ファイルサイズを軽量化しよう!
このページではJPEGの概要や特徴、メリット・デメリット、画像変換ツールなどについて解説しました。
JPEGは、フルカラー(約1677万色)に対応しているにも関わらず、高画質かつ小さい容量でファイル圧縮できるメリットがあります。
しかし、JPEGは、非可逆圧縮方式の画像形式のため、保存するたびに画質が劣化します。
また背景浸透もできません。
細かい色彩を表現したい画像・写真には適していますが、複数回画像を修正・編集したい場合は、別の画像形式(PNGやGIF)をおすすめします。
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