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SLAとは?SLOとの違いやAWS・Azureなど種類、意味をわかりやすく解説

SLAとは?SLOとの違いやAWS・Azureなど種類、意味をわかりやすく解説

SLAとは「Service Level Agreement」の略で、「サービス品質保証」という意味です。 簡単にいうと、サービスの提供者がサービスの契約者に対し、サービスの品質内容を保証するための指標です。 今回はSLAに焦点を当て、その背景や、評価指数の例、契約の締結・作成の際の注意点、SLAが意識されたサービスなどをご紹介します。気になるポイントを一挙確認してしまいましょう。

SLAとは?

SLAとは「Service Level Agreement」の略で、「サービス品質保証」という意味です。

簡単にいうと、サービスの提供者がサービスの契約者に対し、サービスの品質内容を保証するための指標です。

SLAの一般的な内容は、以下です。

  • サービスの内容と提供範囲
  • サービスレベルの明確化
  • サービスにかかるコスト
  • サービスの品質に対する保証内容

品質内容を明確な数値で表現することで、サービスの利用者はサービスレベルや機能を具体的な数値として確認・判断できます。

またサービスの提供者も、サービスの質を客観的にアピールできるというメリットもあります。

SLAが普及した背景

SLAは、主にインターネットをはじめとした通信サービスやクラウドサービスの販売に役立つ指標として普及し始めた指標です。

通常、事業者が販売する「形ある製品」は、メーカーが保証書などで品質保証を表現しています。

しかし、インターネットが普及し始めた当初、通信サービスやクラウドサービスなどの「形のないサービス」に対しては、具体的に品質保証を表現できる良い手段がありませんでした。

そのため、当初はサービス提供者と利用者間での認識のズレによるトラブルが頻発していました。

これを防ぐために発行されたのが、SLAです。

現在SLAは、ITや通信サービスを中心にコールセンターやヘルプデスク、クラウドサービスなどで主に活用されています。

SLAとSLOの違い

SLAと似た用語に、SLOがあります。

SLOとは、「Service Level Objective」の略で、「サービスレベル目標」のことです。

SLA SLO
概要 サービス品質保証 サービスレベル目標
目的 サービスの提供者と利用者間で、品質レベルを合意するための指標として設定 サービスの提供者が目標にする品質レベルを設定。そのレベルに向けて、サービスを運用・管理する
利用者との合意 必要 必要なし
未達ペナルティ あり なし

またコールセンター業務では、KPIと呼ばれる指標が活用されることもあります。

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略で、事業者が掲げた目標達成までの「プロセスの進捗度」を測る指標です。

なおKPIについての詳細や重要性については以下の記事をご覧ください。

【株式会社ipe|KPIとは?概要や具体例、設定するメリット、設定方法なども解説!

SLAの構成要素

SLAは、サービスの品質を具体的に明文化したものですが、それに「合意」するには、具体的にどのような点に注視すべきでしょうか。ここでは3点解説します。

①サービスの定義

1つ目は、サービスの定義です。

どのようなサービスがSLAの対象になるのか、その範囲を明確化しないことには契約が成立しません。

②サービスレベル

2つ目は、サービスレベルです。

サービスの品質レベルを明確にするには、そのサービスの基準を満たしていることが客観的に判断できるような定量的に計測できる数値・指標が必要です。

定量的に計測できる数値・指標とは、例えば、稼働率や応答時間、メッセージ配信時間、障害から復旧までの時間などです。

今回は、その中でも「稼働率」を例に挙げて計算してみます。

稼働率=(全時間-システム停止時間)/全時間

※ここでいうシステム停止時間とは、何らかのトラブルでシステムが停止→復旧するまでの時間です。

例えば、1カ月(1日24時間、1ヶ月を30日とした場合→720時間)の間に1時間だけ停止するシステムの稼働率は以下です。

稼働率=(720時間-1時間)/720時間=0.9986(99.86%)

この稼働率が100%に近い数値ほど、良質なサービスと判断できます。

③サービスレベルに対するコスト

3つ目は、サービスレベルに対するコストです。

どれだけ、高い稼働率・サービスレベルを叩き出せても、それに対するコストが高すぎると、長期間利用し続けることは困難です。

一般的に高い稼働率を求めるほど、それに対するコストは大きくなる傾向にあります。

サービスを導入する際は、コストに見合うサービスなのか吟味する必要があるでしょう。

SLAを活用するメリット

ここでは、SLAを活用するメリットについて3点解説します。

  • サービス内容や提供範囲が分かる
  • 複数のサービスの品質を客観的に比較できる
  • トラブルの対処がしやすい

1. サービス内容や提供範囲が分かる

SLAには、サービス内容や提供範囲が詳しく記載されています。

そのため、サービスの提供者と利用者との間で誤解やトラブルを回避できます。

またサービス内容や提供範囲が具体的に記載されていれば、現行の問題点や課題点を分析・改善しやすいというメリットもあります。

2. 複数のサービスの品質を客観的に比較できる

SLAには、具体的に数値化されたサービス品質が記載されるため、複数のサービスの品質を客観的に比較することができます。

事業者にとっては、競合他社のサービスを分析し、改善に活かせますし、利用者にとっては、サービスを選定する際の目安になるでしょう。

3. トラブルの対処・対策がしやすい

SLAには、サービスの補償内容(例えば、トラブル発生時の対処内容やサービス障害・性能低下が発生した際の損害賠償)についても記載されています。

トラブル発生時は、記載の内容に沿って対応してくれるため、スムーズに問題を解決しやすい点がメリットです。

SLAを作成する際の注意点

  • 内容の実現可能性
  • 締結後の運用
  • 監視ツールの活用

SLAを作成する際には、以下の点に注意が必要です。

1.内容の実現可能性

SLAで設定する内容は実現可能である必要があります。自社の能力を超えたサービスを約束することは避けるべきです。また、約束するサービス品質と範囲は慎重に検討し、持続的に提供可能なものであるかどうかを見極めることが大切です。短期的には対応可能でも、長期的にはコストや手間が増大しサービス提供が困難になることがあります。

2.締結後の運用

SLAは締結後の運用が重要です。多すぎる項目を設定すると、その監視に多くのリソースが必要になり、作業負荷が増加します。実現可能性を考える際には、実際の運用をできるだけ想定し、運用面での負担が適切かどうかを考慮することが大切です。

3.監視ツールの活用

監視の負荷を軽減するためには、適切な監視ツールの導入が賢明です。サーバーの状態やアプリケーションの性能、ネットワークのトラフィック状況や通信品質を監視するなど様々なツールがあります。これらのツールを活用することで、サービスレベルを維持しつつ、作業負荷を軽減し、サービスの持続性を高めることができます。

SLAの評価指数の例

ここからは、サービスの品質を保証する上での具体的な評価指標について、「コールセンター」を例に解説します。ぜひ参考にしてみてください。

1. サービスに関する品質指標

コールセンターの場合、「電話の応答速度」はサービスの品質として重要です。

よく用いられる指標 概要 評価
応答率 入電数の中で、実際にオペレーターが応答できたコールの割合 数値が高いほど、電話がつながりやすい
SL(Service Level) 一定時間内にオペレーターが応答したコールの割合 数値が高いほど、電話がつながりやすい

2. 応対に関する品質指標

オペレーターの応対の正確さや丁寧さを保証する品質指標も重要です。

よく用いられる指標 概要 評価
モニタリングスコア 複数の評価項目(言葉遣いや応対内容など)のスコアを合算した取得点数 数値が高いほど、顧客のニーズに応えた応対がされている
一次解決率 最初の入電で、顧客の問題を解決できた割合 数値が高いほど、顧客からの問い合わせに的確な応対がされている
ミス率 ミスの割合 数値が高いほど、オペレーターの管理体制を見直す必要がある

3. 生産性に関する指標

コールセンター業務の生産性に関する指標も重要です。

よく用いられる指標 概要 評価
CPH(Call Per Hour) 1人のオペレーターが1時間で対応したコール数 数値が高いほど、時間内により多くの電話に応対できている
ATT(Average Talk Time) 1コールあたりの平均通話時間 時間が短いほど、より多くの顧客の応対ができている
ACW(After Call Work) 1コールあたりの後処理にかかった平均後処理時間 電話応対後、後処理にかかる時間が短いほど、生産性が高い
AHT(Average Handling Time) 1コールに要する平均処理時間 平均処理時間が短いほど、生産性が高い
稼働率 オペレーターが給与の発生する期間の中で顧客対応業務にあてられた割合 稼働率が低い場合は、生産性が低い。一般的な理想は80%~85%

4. コストに関する指標

ただ営業するのではなく、営業にかかるコストを考慮することも重要です。

よく用いられる指標 概要 評価
CPC(Cost Per Call) 1コールの対応にかかるコスト オペレーターの人件費や通信費などを含めたコールセンター全体の経費を用いて計算する。

数値が高いほど、コールセンターの運営体制を見直す必要がある

SLAが意識された主なクラウドサービス

ここでは、SLAが意識された主なクラウドサービスについて2点解説します。

1. AWS(Amazon Web Service)

AWSは、Amazon社が提供しているクラウドサービスです。

サーバーやデータベース、ストレージなどサービスの範囲は多岐にわたり、それぞれSLAの項目や数値は異なります。

例えば、仮想サーバーを提供する「Amazon EC2」のSLAは、月間稼働率99.99%以上の保証です。

もし稼働率がこの数値を下回ってしまった場合、数値に応じてサービス利用料金の一部が返金される保証になっています。

【AWS|AWS公式サイト

2. Microsoft Azure

Microsoft Azureとは、Microsoft社が提供しているクラウドサービスです。

AzureのSLAもサービスの利用方法によって変動します。

【「Azure Virtual Machines」の具体的な稼働率】

  • 単一の仮想マシン:99.9%以上
  • 複数の仮想マシンを同一可用性セットに配置している場合:99.95%以上
  • 同一リージョン内にある複数の可用性ゾーンに配置している場合:99.99%以上

【Microsoft Azure|Microsoft Azure 公式サイト

SLAを意識したマーケティングで自社の売上を伸ばそう!

このページでは、SLAに焦点を当て、その概要や背景、構成要素、メリット、評価指数の例、SLAが意識された主なクラウドサービスなどについて解説しました。

SLAは、各種サービスの品質を客観的に表現・比較・保証する上で重要な役割を果たします。

またサービス内容と提供範囲を明確にすることで、サービスに関する曖昧さを取り除き、提供者と利用者間で起こりうるトラブルを少なくできるメリットもあります。

今後、客観的に品質の見極めが難しいサービスを契約する際は、ぜひSLAを注視することをおすすめします。

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