ページランクとは?アルゴリズムや調べ方、計算方法

ページランクとは、Webページの重要度を決定するためのアルゴリズムです。 Googleの検索エンジンを利用したユーザーが検索キーワードに対する最適な結果を得られるようにと用いらる評価指標でもあります。 今回はページランクに焦点を当て、その概要やSEOとの関連性、評価方法、確認方法、ツール、改善ポイントなどをご紹介します。気になるポイントを一挙確認してしまいましょう。
ページランクとは?
ページランクとは、Webページの重要度を決定するためのアルゴリズムです。
Googleの検索エンジンを利用したユーザーが検索キーワードに対する最適な結果を得られるようにと用いられる評価指標でもあります。
ページランクは、被リンクの数と質で決定され、被リンクを基準にWebページを「0~10」の11段階でランク付けします。
ページランクの定義
ページランクは、あるウェブページが他のページからリンクされている数と質を基に、そのページの重要度を0から10までの数値で表したものです。リンク元のページの重要度が高いほど、リンク先のページのページランクが高くなる傾向があります。ページランクは、Googleの共同創業者であるラリー・ページが考案した指標で、現在でもGoogleの検索アルゴリズムの重要な要素の一つとされています。
ページランクの計算方法
ページランクは、以下のような計算式で表されます。
PR(A) = (1-d) + d (リンク元ページのPR / リンク元ページの総リンク数) |
各ページのページランクは、リンク元ページのページランクを、リンク元ページの総リンク数で割った値の合計に、ダンピングファクター(d)を乗じて算出されます。ダンピングファクターは通常0.85とされ、ユーザーがリンクをたどり続ける確率を表しています。
この計算を全てのページに対して繰り返し行うことで、最終的に各ページのページランクが決定します。つまり、ページランクの高いページからリンクされるほど、そのページのページランクも高くなる仕組みになっています。
ページランクとSEOの関連性
Googleにおいて、ページランクは、200以上ある検索順位を決定する検索アルゴリズムの1つです。
Googleは、ページランクの高さは、良質な被リンクの数やコンテンツの質が高いことを意味し、良質な被リンクが検索順位を決定する重要要素であることを公式に提言しています。
ただし、ページランクは検索順位を決定する唯一の要因ではなく、コンテンツの質や関連性、その他の指標とのバランスも重要です。
SEO対策を行う上では、ページランクを意識しつつも、総合的な観点から施策を実施することが求められます。
ページランクの評価方法
ここでは、ページランクの評価方法について解説します。
良質な被リンクはページランクを高くする
良質な被リンクが多いほどページランクは高くなります。
良質なリンクとは、「高品質で関連性の高いリンク」のことです。
Googleの品質評価ガイドラインによると、高品質で関連性が高い基準は以下です。
|
【参照|品質評価ガイドライン】
基本的に、Googleの品質評価ガイドラインを意識したWebサイトからの被リンクが高品質で関連性が高いリンクという認識になり、ページランクを上げることにつながります。
リンク元のページランクは評価に直結する
ページランクが高いWebサイトからの被リンクは、ページランクの上昇率を引き上げます。
ページランクが高いWebサイトからの被リンクが多い=信頼度が高いWebサイトであり、ユーザーにとって有益な情報を発信できているという解釈です。
例えば、以下2つのWebサイトを考えてみましょう。
B:コンテンツの質は悪くないものの、悪質な被リンクが多く、ページランクは常に圏外のコラムサイト
上記の場合、皆さんならどちらのWebサイトを信頼しますか。
おそらくGoogleの場合、AのWebサイトに高い評価を置くでしょう。
ページランクの変動要因
ページランクは、リンク構造の変化に伴って常に変動しています。新しい被リンクの獲得や、既存のリンクの削除、リンク元ページのページランクの変化などが、ページランクの変動要因となります。
また、Google社がページランクのアルゴリズムを更新した場合にも、大きな変動が発生することが否めません。ページランクの変化を定期的にチェックし、変動要因を分析することが重要です。
スパムに該当するリンクはペナルティ対象
スパムに該当するリンクはペナルティ対象となり、ページランクに悪影響を及ぼします。
なおスパムリンク行為には、以下のようなものがあります。
・相互リンク:過剰なリンク交換・相互リンク目的の関連性のないサイトからのリンク
・過剰なキーワードを詰め込んだアンカーテキスト
・サービス利用者に対するリンク設置の義務付け
・自動化プログラムなどによる自サイトへの自動リンク作成
(参考:Google検索セントラル 上級者向けSEO Link schemes)
これらの手法はブラックハットSEOとも呼ばれる手法で、今ではペナルティ対象になる危険な施策です。
ペナルティ対象になったWebサイトは、検索順位を急落させられたり、最悪の場合、検索結果から外されてしまう場合もあるため注意しましょう。
ページランクの確認ツール
現状、Googleでページランクを確認できるツールはありません。
2021年11月現在、ページランクを確認する代替手段としてMozやAhrefsがよく使用されます。
これらを活用すれば、Webサイトの評価を数値として測定可能です。
MozやAhrefsを使用する際の注意点は、独自のデータやルールを元にページランクを算出しているという点です。Googleの公式評価とはデータに乖離があるため、注意が必要です。
Moz(有料)
Mozは2004年に設立されたアメリカのSEO会社であり、その会社が開発したSEO分析ツールでもあります。
Mozでは、DA(ドメインオーソリティ)という数値がページランクの代替になります。
DA(ドメインオーソリティ)とは、Mozが開発した検索エンジンランキングのスコアで、特定のWebサイトが検索結果ページでどのくらいの順位にランクインするかを予測する指標です。
DA(ドメインオーソリティ)のスコアは1から100までの数値で指標化され、以下のような評価基準を算出されます。スコアが高いほどページランクが高いと判断できます。
・リンク元のE-A-T
(※E-A-Tとは、専門性(Expertice)、権威性(Autoritativeness)、信頼性(TrustWorthiness)の頭文字をとった略語)
【公式サイト|https://moz.com/link-explorer】
Ahrefs(有料)
Ahrefsは、世界で約60万人が導入しているSEO分析ツールで、自社のWebサイトだけでなく、競合サイトの被リンク分析や検索エンジンの上位表示コンテンツ、想定流入キーワードなどを把握できます。
Ahrefsでは、UR(URLレーティング)とDR(ドメインレーティング)という数値がページランクの代替になります。
UR(URLレーティング)は、Webページ単位で測定する指標で、DR(ドメインレーティング)は、ドメイン単位で測定する指標です。どちらも内部リンクや外部被リンクの量・質、権威性を数値化する指標です。
0から100までの数値で表現され、数値が高いほどページランクが高いと判断できます。
URやDRが低いWebサイトを検索順位上位にするには、特定のジャンルやキーワードに焦点を絞ったWebサイト制作が必要になるなど、大手サイトとは異なる戦略が必要になるでしょう。
【公式サイト|https://ahrefs.com】
ページランクを高めるための施策
ページランクを高めるためには、質の高いコンテンツの作成や、内部リンク構造の最適化、外部リンクの獲得、SNSの活用など、様々なSEO施策が効果的です。ここでは、それぞれの施策について詳しく解説します。
質の高いコンテンツの作成
ページランクを高めるためには、まず質の高いコンテンツを作成することが重要です。オリジナリティがあり、ユーザーにとって価値のある情報を提供することで、他のサイトからの自然なリンク獲得につながります。また、コンテンツの内容をわかりやすく構成し、適切なキーワードを盛り込むことで、検索エンジンに対してページの関連性を的確にアピールできるでしょう。
独自性のある情報を発信し被リンクを集める
ページランクは、独自性のある情報を提供することにより、被リンクを集めることが重要です。独自性のあるコンテンツはGoogleのE-A-T(専門性、権威性、信頼性)の考え方に基づいて高い評価を得られます。
また、質の高いコンテンツは自然な被リンクを引き寄せます。つまり、独自性のある情報発信は、被リンクはページランクの向上に直接的に影響を与え、オリジナリティとユーザーニーズに応えるための施策と言えるでしょう。
ただし、過剰な被リンクの購入やリンク交換は、ペナルティのリスクがあるため注意が必要です。
内部リンクを構築する回遊率を上げる
ページランクを上げるには、外部からの被リンクだけでなく、内部リンクを構築するWebサイト内の回遊率を上げることも有効です。
回遊率とは、主にユーザーがWebサイトをどのくらい閲覧したかを測る指標です。
閲覧時間が多いということは、それだけコンテンツの質が高く、ページランク向上につながります。
内部リンクを張り巡らせることで、検索エンジンがインデックスしやすいサイト構造が完成します。
特に、重要コンテンツが記載されたページに内部リンクを集めることで、検索エンジンに重要ページと判断させることが可能です。
また、内部リンクを構築しておくことは、Webサイトに訪れたユーザーが目的のコンテンツを探すための導線にもなります。
ユーザーに多くの時間閲覧してもらうために、関連性のあるコンテンツ同士を相互リンクしてみることでページランクを増やす工夫をしていきましょう。
SNSを活用する
ページランクを上げるには、SNSの活用も有効です。
運営するWebサイトの目的に合ったSNSを選択し、Webサイトの拡散やユーザーの流入を図りましょう。
ユーザー数の観点からTwitterは拡散性に優れおり、Facebookは属性がわかりやすいといった特徴があります。他にも動画を活かした流行りのYoutubeやTikTok、Instagramを活用する方も多いです。
SNS上でのシェアやいいねは、直接的なランキング要因ではありませんが、コンテンツの認知度を高め、外部リンクの獲得を助けます。また、SNSからのトラフィックが増えることで、サイトのエンゲージメントが向上し、結果的に検索順位の改善にもつながるでしょう。
それぞれのSNSの特性に応じた拡散方法を検討し、ページランクを高めてくれる良質な被リンクの獲得を目指しましょう。
ページランクと他の検索順位指標の関係
ページランクは、検索順位を決定する重要な指標の一つですが、他にも様々な指標が存在します。ここでは、ドメインオーソリティやトラストランクなど、他の検索順位指標とページランクの関係性について解説します。
ドメインオーソリティとの関連
ドメインオーソリティは、Moz社が開発した指標で、ドメイン全体の権威性や信頼性を示すものです。ドメインオーソリティは、ドメイン全体への被リンクの数と質を基に算出されます。
ページランクが個別のページの重要度を表すのに対し、ドメインオーソリティはドメイン全体の評価を表します。両者は密接に関連しており、ドメインオーソリティが高いサイトは、個別のページのページランクも高くなる傾向です。
トラストランクとの比較
トラストランクは、セマンティックエンジン社が開発した指標で、ウェブサイトの信頼性を評価するものです。トラストランクは、サイトのコンテンツの品質や、信頼できるサイトからの被リンクを重視して算出されます。
ページランクが被リンクの量と質に重点を置くのに対し、トラストランクはサイトの信頼性により重きを置いているという違いがあります。ただし、両者ともにサイトの権威性を測る指標であり、相関関係は高いと言えるでしょう。
その他の検索順位指標とのバランス
ページランクは重要な指標ですが、それ以外にも検索順位に影響を与える要因は数多く存在します。例えば、コンテンツの質や関連性、キーワードの最適化、サイトの表示速度、モバイルフレンドリー性などです。
SEO対策を行う際は、ページランクだけでなく、これらの指標とのバランスを考慮し、総合的な最適化を図ることが重要です。特定の指標に偏った施策では、長期的な成果は望めないでしょう。
ページランクが低いサイトでもSEO対策で上位表示は可能?
ページランクが低いサイトでも、適切なSEO対策を行うことで検索順位を上げることは十分に可能です。ページランクはGoogleの評価指標の一つではありますが、コンテンツの質や関連性、ユーザー体験などの他の要因も重要視されています。
低ページランクのサイトこそ、独自性の高いコンテンツ作りや内部リンク構造の最適化など、基本的なSEO対策を地道に積み重ねていくことが大切です。ユーザーファーストなサイト運営を心がけ、Googleから良質なサイトと評価されるよう努めましょう。
ページランクはそういった日々の努力の結果として、徐々に向上していくものだと言えるのです。
ページランクの最新動向と今後の展望
ページランクをめぐる状況は、常に変化し続けています。ここでは、ページランクアルゴリズムの変遷や、モバイルファーストインデックスの影響、AI技術の進歩がページランクに与える影響などについて解説します。
ページランクアルゴリズムの変遷
ページランクは、1998年にGoogleが特許を取得して以降、長年にわたってアップデートが重ねられてきました。当初は、リンクの数のみを重視していましたが、徐々にリンクの質や関連性なども考慮されるようになりました。
また、ページランクの流出を防ぐために、NoFollowタグの導入なども行われています。今後も、ページランクのアルゴリズムは進化を続けると予想されます。
モバイルファーストインデックスとページランク
Googleは、2018年からモバイルファーストインデックスへの移行を進めています。これは、モバイル版のサイトをクロールし、インデックスに登録する方式です。
モバイルファーストインデックスの導入に伴い、ページランクの計算にもモバイル版のリンク構造が影響を与えるようになりました。サイトのモバイル対応を進め、モバイル版のリンク構造を最適化することが、今後のページランク対策において重要になるでしょう。
AI技術の進歩とページランクへの影響
近年、AI技術の急速な進歩に伴い、検索アルゴリズムにもAIが積極的に活用されるようになっています。AIを用いることで、より高度で複雑なリンク分析が可能になると予想されます。
また、ユーザーの行動パターンや嗜好をAIが学習し、パーソナライズされた検索結果の提供が進むことで、ページランクの重要度が相対的に低下する可能性もあります。AIがページランクに与える影響については、今後も注視していく必要があるでしょう。
ページランク向上のための注意点
ページランクを向上させるためには、効果的なSEO施策を実践する一方で、いくつかの注意点にも配慮が必要です。ここでは、ブラックハットSEOのリスクや、ページランクを意識しすぎることの弊害、長期的視点の重要性などについて解説します。
ブラックハットSEOによるペナルティリスク
ページランクを不正に操作しようとするブラックハットSEOは、Googleからのペナルティを受けるリスクが高いです。リンクの購入や過剰な相互リンク、ドアウェイページの作成など、ガイドラインに違反する手法は厳に慎むべきです。
ペナルティを受けると、検索順位が大幅に下落し、回復までに長い時間を要します。
ページランクを意識しすぎない
ページランクは重要な指標ですが、それを過度に意識するあまり、本来のSEOの目的を見失ってはいけません。ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、ユーザー体験を向上させることこそが、SEOの本質です。ページランクを意識しすぎるあまり、不自然なリンク構築やキーワードの詰め込みなどに走ると、逆効果となる可能性があります。
長期的視点で改善する
ページランクの向上は、一朝一夕で実現できるものではありません。地道なコンテンツの充実と、自然なリンク獲得の積み重ねが必要です。
また、ページランクのアルゴリズムは常に変化しているため、短期的な施策だけでは限界があります。長期的な視点を持ち、ユーザーファーストの姿勢でSEO対策に取り組むことが重要だと言えるでしょう。
ページランクを理解し、効果的にSEO施策を実践しよう
ページランクは、SEOにおける重要な指標の一つであり、検索順位に大きな影響を与えます。本記事では、ページランクの定義や計算方法、SEOへの影響、ページランクを高めるための施策、他の指標との関係性、計測と分析方法、最新動向と今後の展望、注意点と対策などについて詳しく解説してきました。
ページランクを向上させるためには、質の高いコンテンツの作成や、内部リンク構造の最適化、外部リンクの獲得、SNSの活用など、多角的なアプローチが求められます。また、ページランクを計測・分析し、競合サイトとの比較を行うことで、自社サイトの状況を適切に把握することが重要です。
ただし、ページランクの向上を目指す際は、ブラックハットSEOによるペナルティのリスクや、ページランクを意識しすぎることの弊害にも注意が必要です。長期的な視点を持ち、ユーザーファーストの姿勢でSEO対策に取り組むことが何よりも大切だと言えるでしょう。
ページランクをめぐる状況は常に変化しており、モバイルファーストインデックスの導入やAI技術の進歩など、新たな動向にも目を配る必要があります。SEOの専門家として、最新の情報をキャッチアップし、適切な施策を実践していくことが求められます。
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